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令和 4 年度(2022 年度)事例 Ⅱ 解答解説 ​

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第 1 問(配点 30 点) ​

設問文 ​

B 社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から 150 字以内で述べよ。

回答例(148 字) ​

顧客はホテル・飲食店等の法人需要が激減する一方、周辺の現役世代家族や専門店の魅力に気付いた個人客の需要が増加している。競合は大手食肉卸売業者、近隣スーパー、ネット上の同業者である。自社は良質な食肉の仕入れ、加工技術、メニュー提案力が強みだが、卸売への依存とオンライン販売の訴求力不足が弱みである。

解説 ​

この問題の着眼点 ​

B社の現状を 顧客・競合・自社の3Cに分け、150字でまとめる与件抜粋型の問題 です。顧客と競合は与件文から該当する事実をそのまま拾い、自社は 強みと弱みに分けて 整理します。

根拠集めは最初、答案の確定は最後 ​

与件を読みながら、顧客・競合の事実と、自社の強み・弱みの候補をマーキングします。蛍光ペンやボールペンの色、S・Wなどの印で区別したら、この段階では150字へ絞り込まず、第2問以降へ進みましょう。

後続設問を解くと、商品開発や販売力強化に使う強みと、協業で補う弱みが見えてきます。それらを優先候補の1軍、その他を補足候補の2軍に分け、最後に第1問へ戻って答案に残す根拠を決めます。

顧客・競合の事実と、自社の強み・弱みを集める ​

与件文のどこを見るか ​
  • 第11段落: ホテル・旅館や飲食店などを主要取引先 とする事業が打撃を受ける一方、 食肉小売店での販売だけが急上昇した とあります。顧客は名前だけでなく、法人向け取引の減少と個人向け需要の拡大を対にして拾います。
  • 第5段落: 大手食肉卸売業者 と 全国チェーンのスーパーが3店舗 が競合の根拠です。卸売と直営小売で競争相手が異なります。
  • 第11段落: 食肉販売業者は多く 、 B社紹介ページはネットで埋もれ とあります。ネット上の同業者も競合として拾い、B社が顧客へ届きにくい点は自社の弱みとして整理します。
  • 第4段落: 良い食肉を仕入れられる体制 と 対面接客による買物客のニーズに合わせた販売 は、調達と顧客対応の強みです。
  • 第8段落: 高い技術力を有する職人 によって、 良質でおいしい食肉加工品 を製造できます。人員の存在を、商品価値を生む加工技術としてまとめます。
  • 第9段落: 飲食店に対してメニュー提案 を行い、 その半加工を請け負ったり しています。食肉を納めるだけでなく、顧客の用途に合わせて提案・加工できる力があります。
  • 第10段落:2019年度時点の 卸売事業が9割 という構成から、卸売への依存を捉えます。
  • 第13段落: 自社の売り上げが他社の動向に左右されている と認識しています。自社の課題を、販売先の動向に左右される構造として捉えます。
顧客と競合は、与件の事実を短くまとめる ​

顧客は「ホテル・旅館・飲食店」と「直営店の個人客」を拾い、それぞれの需要の動きを添えます。第11段落の 「ところが」 は、好調だった卸売取引がコロナ禍で打撃を受ける転換を示します。昔の好調さだけを残さず、現在の減少と小売の伸長を押さえます。

競合は、大手卸、近隣スーパー、ネット上の同業者を拾います。同段落の 「しかし」 の後にはネット販売でも顧客の目に留まらない状況があり、競争は実店舗の周辺だけに限りません。事実を答案字数に合わせて縮め、顧客・競合の二つの欄を先に確保します。

第2問以降を解いて、1軍・2軍を分ける ​

自社の候補は、後続設問で どの強みを使い、どの弱みを補ったか を見て絞ります。

自社の候補後続設問とのつながり答案に残す方向
良質な食肉の調達第2問の地域商品、第3問の料理好き客、第4問の協業商品に使う高品質な仕入れ
職人の技術・加工品開発・半加工第2問の新商品、第3問の品揃え、第4問の共同開発を支える食肉加工技術
メニュー提案・個別対応第3問の調理提案、第4問の商品・献立開発に使うメニュー提案力
卸売への依存第2・3問の消費者向け販売、第4問の新しい販路で補う卸売依存
ネットで顧客に届かない第4問で相手の顧客基盤・販売網を活用して補うオンライン販売の弱さ

例えば、個々の加工品名は「食肉加工技術」へまとめられます。交通利便性などの候補もありますが、短い自社欄では、複数の施策を支える能力と、事業を見直す原因になった弱みを優先します。

顧客・競合・自社を150字で答案化する ​

答案の骨格は、 顧客の動向+競合の存在+自社の強み・弱み です。顧客は法人向けの減少と個人向けの伸長、競合は卸・小売・ネットの相手を短く置き、自社には1軍にした能力と依存・販売面の弱さを肉付けします。

「顧客は〜。競合は〜。自社は〜が強みだが、〜が弱み。」とすると、3Cへの対応が明確になります。自社の長所だけで字数を使い切らず、 顧客・競合・自社の三つを残す ことを優先します。卸売9割という数値を使う場合は2019年度時点の構成として扱い、現在の厳密な比率へ読み替えません。


公的資料から持ち帰る知識と類題 ​

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」は、3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法について示しています。本問では、「顧客・競合・自社、または内部・外部を分けて根拠を整理する」を2022年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。

公的資料の判断軸この設問への当てはめ答案上の注意
顧客・競合・自社、または内部・外部を分けて根拠を整理する分析の各箱へ与件事実を置き、比較から強みと課題を特定する現状分析では後続問の施策を先取りしない

類題は、2024年度事例II第1問 と 2018年度事例II第1問 です。共通点 は、顧客・競合・自社を比較して現状を示すことです。相違点 は、本問が法人需要減と個人客増、高品質加工・提案力、卸売依存・オンライン課題を3Cで整理する点です。

出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」(3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法)

この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2022年度の与件事実を主根拠にします。

第 2 問(配点 20 点) ​

設問文 ​

B 社は、X 県から「地元事業者と協業し、第一次産業を再活性化させ、県の社会経済活動の促進に力を貸してほしい」という依頼を受け、B 社の製造加工技術力を生かして新たな商品開発を行うことにした。商品コンセプトと販路を明確にして、100 字以内で助言せよ。

回答例(97 字) ​

地元農家・漁業者と協業し、B社の加工技術でX県産の山海の幸と高品質食肉を組み合わせた贈答用総菜セットを開発する。地域ブランドとして、百貨店の贈答品売場や観光客が訪れる道の駅、土産物店で販売する。

解説 ​

この問題の着眼点 ​

問われているのは、地元事業者と協業して開発する 商品コンセプトと販路 です。地域資源とB社の加工技術を、誰にとってどんな価値のある商品にするか考え、その用途に合う売り場を100字で示します。マーケティングでは、 顧客提供価値をProduct・Placeへ具体化する 問題です。

地域資源と加工技術から、商品の価値を考える ​

与件文のどこを見るか ​
  • 第7段落:X県には 野菜・果物・畜産などの農業、漁業 があり、 山の幸、海の幸の特産品にも恵まれ ています。地元事業者と組む際に使える原材料の根拠です。
  • 第8段落: 高い技術力を有する職人 が、 良質でおいしい食肉加工品 を製造しています。地域の素材を商品へ仕上げる役割をB社が担えます。
  • 第4段落: 贈答用を含めた最高級品質の食肉や食肉加工品 を百貨店向けに販売しています。高品質な商品と贈答用途を結ぶ経験があります。
  • 第8段落: 詰め合わせれば贈答品にもなり 、 直営小売店や高速道路の土産物店、道の駅 で販売しています。商品の用途と、その商品を買う顧客に接する販路を一緒に読み取れます。
「地元食材」から、買う理由のある商品へ ​

県産の山海の幸を使うだけでなく、地元農家・漁業者と協業する主体を置きます。B社は加工技術で高品質な食肉と地域食材を組み合わせ、単なる詰合せではない地域ブランド商品へ仕上げます。誰と組み、どの技術でどんな価値を作るかを一続きにすると、第一次産業の再活性化という依頼にも対応できます。

商品の用途に合う売り場を選ぶ ​

贈答用なら百貨店の贈答品売場、観光土産なら道の駅や土産物店が候補になります。これらは与件に販売経験があり、 贈答・観光の需要と接点を合わせる 選び方です。販路は数を増やすことより、狙う顧客がその商品を探す場所と合っていることが重要です。

地元事業者から素材を調達し、B社が加工して地域商品として売ることで、農水産物の需要を生む方向へつながります。県からの第一次産業再活性化の依頼と、B社が担う商品化・販売の役割を結びつけます。

第7段落の 「また」 以降は、取引先の話から県内の産業や特産品へ説明が広がります。ここでは食肉だけに目を向けず、 地域の山海の幸とB社の食肉加工技術を組み合わせる ことを考えます。

商品コンセプトと販路を100字で答案化する ​

答案の骨格は、 地域資源×加工技術による商品コンセプト+用途に合う販路 です。前半には山の幸・海の幸と高品質な食肉を組み合わせる特徴、後半には贈答・観光用途に合う売り場を肉付けします。

「商品コンセプトは〜。販路は〜。」と二つの要求へ対応させます。特定の料理名や製造工程を詳しく書くより、 地域資源・B社の技術・商品価値・販路のつながり を残しましょう。販促や価格まで一律に広げず、本問が求める商品と販路へ字数を使います。


公的資料から持ち帰る知識と類題 ​

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある「農商工連携で商品開発をする際に注意すべき点はありますか?」は、農林漁業者と商工業者が強みを補完し、顧客視点と明確な役割分担で商品化する方法について示しています。本問では、「標的顧客のニーズから商品・サービスと届け方を設計する」を2022年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、「事業コンセプトの作り方」は、「誰に・何を・どのように」を一貫させ、強みを顧客価値へ変換する基本軸を補う資料として併記します。

公的資料の判断軸この設問への当てはめ答案上の注意
標的顧客のニーズから商品・サービスと届け方を設計する対象顧客、提供価値、商品・品揃え、販売方法を因果で結ぶ与件にない商品を自由発想せず既存資源との適合を確かめる

類題は、2021年度事例II第2問 と 2016年度事例II第2問(設問1) です。共通点 は、自社資源を商品コンセプトへ束ね、標的顧客に合う販路を選ぶことです。相違点 は、本問が地域ブランドと贈答・観光チャネルを同時に答える点です。

出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「農商工連携で商品開発をする際に注意すべき点はありますか?」(農林漁業者と商工業者が強みを補完し、顧客視点と明確な役割分担で商品化する方法) / 中小企業基盤整備機構 J-Net21「事業コンセプトの作り方」(「誰に・何を・どのように」を一貫させ、強みを顧客価値へ変換する基本軸)

この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2022年度の与件事実を主根拠にします。

第 3 問(配点 20 点) ​

設問文 ​

アフターコロナを見据えて、B 社は直営の食肉小売店の販売力強化を図りたいと考えている。どのような施策をとればよいか、顧客ターゲットと品揃えの観点から 100 字以内で助言せよ。

回答例(100 字) ​

料理好き客と周辺の現役世代家族を標的とする。前者には高品質食肉と対面での調理法提案、後者には加工技術を生かしたレシピ付きミールキット、半加工品、揚げたて総菜を充実させ、専門性と利便性で販売力を高める。

解説 ​

この問題の着眼点 ​

直営店の販売力を強めるため、 顧客ターゲットと品揃え を100字で助言します。STPで誰の需要に応えるかを定め、Productとして何をそろえるかへつなげる問題です。 顧客ごとに求める価値と商品を対応させる ことが中心になります。

来店する顧客の需要と、専門店の能力を結びつける ​

与件文のどこを見るか ​
  • 第2段落:周辺には 現役世代が家族で居住する集合住宅も多い とあります。直営店が接することのできる顧客層です。
  • 第11段落: 料理の楽しさに目覚めた客 と 作りたての揚げ物を買い求める客 が来店しています。同じ食肉専門店でも、料理を楽しむ需要と出来た商品を買う需要が読み取れます。
  • 第4段落: 良い食肉を仕入れられる体制 と 対面接客による買物客のニーズに合わせた販売 があります。良質な精肉と提案を組み合わせられます。
  • 第8段落: 食肉加工品を自社ブランドで開発 できる能力があります。専門店らしい加工品をそろえる根拠です。
  • 第9段落: 顧客ニーズにきめ細かく合わせること に対応し、 その半加工を請け負ったり しています。法人向けに培った加工能力を、家庭向けの商品にも応用することが考えられます。
顧客を選び、求める価値から品揃えを決める ​

まず、料理を楽しみたい需要と、準備や調理の負担を減らしたい需要に分けて考えます。料理好き客には 高品質な食肉と調理法の提案 を、周辺の現役世代家族のうち時短を求める顧客には 半加工品・揚げたて総菜・レシピ付きミールキット を提案する方向が考えられます。

同じ家庭でも、休日には料理を楽しみ、平日には手軽さを求める場合があります。現役世代家族という属性を手掛かりにしつつ、全員に同じ需要を想定せず、 どんな利用場面の需要へ応える商品か をはっきりさせます。

第9段落の 「しかし」 は、標準的なカット肉から、取引先の調理の都合に合わせた加工へ話を転換しています。この能力を使えば、家庭の調理負担を減らす商品へ展開する道筋を説明できます。ミールキットは、その能力を使った助言の具体例です。

専門性と便利さで、スーパーとは違う選ばれ方をつくる ​

B社には調達力・加工技術・対面販売があります。料理に合う肉を相談できることと、調理の手間を減らせる商品を買えることを組み合わせ、 専門性と利便性 を提供価値にします。品数を増やすだけでなく、この店を利用する理由へつなげる考え方です。

さらに、対面で聞いた好みや使い方を次の提案・品揃えへ反映することは、CRMにつながります。ただし、本問の答案はターゲットと品揃えが中心です。会員制度や情報配信を追加して字数を使うより、まず顧客と商品の対応を明確にします。

ターゲットと品揃えを100字で答案化する ​

答案の骨格は、 顧客ターゲット+その顧客の需要に応える品揃え です。料理好き客には高品質食肉、時短を求める現役世代家族には半加工品や総菜などを対応させ、B社の調達・加工・提案の力を肉付けします。

「前者には〜、後者には〜」と書くと、二つのターゲットと提供する商品が混ざりません。対面での調理法提案は商品を選び使うための支援として添え、 何をそろえるかを具体的な商品で示す ことを優先します。ターゲットだけ、商品だけに偏らない形へ圧縮しましょう。


公的資料から持ち帰る知識と類題 ​

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「小売業の生産性向上」は、実店舗の体験とEC・顧客データを結び、双方向接点と提案精度を高める小売DXについて示しています。本問では、「データから顧客を分け、品揃え・提案・販促へ反映する」を2022年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、「顧客ターゲットを明確化するには、どうすればよいのでしょうか?」は、属性・地域・心理・行動で標的を具体化し、品揃え・サービス・販促を標的へ合わせる方法を補う資料として併記します。

公的資料の判断軸この設問への当てはめ答案上の注意
データから顧客を分け、品揃え・提案・販促へ反映する顧客属性・履歴を具体的な対象選定と個別提案へ変えるシステム導入自体を目的にしない

類題は、2021年度事例II第2問 と 2017年度事例II第4問 です。共通点 は、STPで対象を絞り商品を合わせることです。相違点 は、本問が料理好きと現役世代家族へ、高品質食肉・提案と時短ミールキット・惣菜を組み合わせる点です。

出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「小売業の生産性向上」(実店舗の体験とEC・顧客データを結び、双方向接点と提案精度を高める小売DX) / 中小企業基盤整備機構 J-Net21「顧客ターゲットを明確化するには、どうすればよいのでしょうか?」(属性・地域・心理・行動で標的を具体化し、品揃え・サービス・販促を標的へ合わせる方法)

この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2022年度の与件事実を主根拠にします。

第 4 問(配点 30 点) ​

設問文 ​

B 社社長は、新規事業として、最終消費者へのオンライン販売チャネル開拓に乗り出すつもりである。ただし、コロナ禍で試した大手ネットショッピングモールでの自社単独の食肉販売がうまくいかなかった経験から、オンライン販売事業者との協業によって行うことを考えている。

中小企業診断士に相談したところ、B 社社長は日本政策金融公庫『消費者動向調査』(令和 4 年 1 月)を示された。これによると、家庭での食に関する家事で最も簡便化したい工程は「献立の考案」(29.4%)、「調理」(19.8%)、「後片付け」(18.2%)、「食材の購入」(10.7%)、「容器等のごみの処分」(8.5%)、「盛り付け・配膳」(3.3%)、「特にない」(10.3%)とのことであった。

B 社はどのようなオンライン販売事業者と協業すべきか、また、この際、協業が長期的に成功するために B 社はどのような提案を行うべきか、150 字以内で助言せよ。

回答例(137 字) ​

献立と調理の負担を解消するミールキット・食材宅配事業者と組む。B社は高品質食肉、加工技術、直営店のニーズとメニュー提案力で商品・献立を共同開発し、個客別の半加工を担う。販売データと顧客の声を共有して改良を重ね、相手の販売・宅配網と組み合わせ顧客満足と双方の継続収益を高める。

解説 ​

この問題の着眼点 ​

問われているのは、 協業するオンライン販売事業者と、長期的な成功に向けたB社の提案 です。相手の顧客基盤・販売網と、B社の調達・加工・提案の力をどう補完させるか考えます。販路を借りるだけでなく、顧客に価値を届ける役割分担まで150字で示します。

ネット販売の課題と、協業へ持ち込める能力を読む ​

与件文のどこを見るか ​
  • 第11段落: 食肉販売業者は多く 、 B社紹介ページはネットで埋もれ とあります。出店するだけでは、B社の商品が顧客へ届きにくい状況です。
  • 第4段落: 良い食肉を仕入れられる体制 と 対面接客による買物客のニーズに合わせた販売 があります。品質と顧客理解を協業へ持ち込めます。
  • 第8段落: 高い技術力を有する職人 がいて、 相手先ブランドでの食肉加工品製造を請け負う ことも可能です。相手の販売する商品に合わせて製造できる能力があります。
  • 第9段落: 飲食店に対してメニュー提案 を行い、 その半加工を請け負ったり しています。食材供給に加えて、献立や調理の工程まで提案できます。
  • 第13段落: 最終消費者と直接結びつく 事業領域の強化を目指しています。相手任せの納入にとどまらず、消費者の反応をB社も把握できる関係を考えます。
相手の知名度より、顧客の需要と能力の補完を考える ​

第11段落の 「しかし」 の後には、ネット上で同業者に埋もれる状況があります。選ぶ基準は、相手が有名かどうかだけでなく、 B社の加工・提案の力を必要とする顧客に届くか です。

例えば、献立を考える手間や調理の負担を減らしたい消費者へ、レシピ付きミールキットや食材を届ける事業者が候補になります。相手には顧客との接点や受注・配送の仕組みを、B社には良質な食肉の調達、献立提案、必要な形への加工を担ってもらう考え方です。協業先に求める条件として、これらの能力が補完し合うかを確かめます。

共同開発と改善を続け、双方に利益が残る関係にする ​

協業先の顧客が何を求めたかを販売データや顧客の声で確かめ、商品・献立の改良へ戻します。B社は高品質食肉の加工と個客別の半加工、相手は販売・宅配網という役割を担い、結果を共有して次の商品提案につなげます。共同開発を一度で終えず、改善を続ける仕組みが長期的な協業を支えます。

協業先と継続的な提案を150字で答案化する ​

答案の骨格は、 需要に合う協業先+B社の強みを使う共同開発・半加工→双方が継続して得る便益 です。相手には食材宅配・ミールキットなどの事業特性を、提案には高品質食肉、メニュー提案、加工というB社の役割を肉付けします。

協業先の紹介だけで終えず、B社が何を提供し、相手の販売・配送網とどう組み合わせるかへ字数を使います。長期成功は「関係を強化する」とまとめる前に、 共同で顧客に合う商品を供給し、双方の継続収益につなげる 仕組みを残します。


公的資料から持ち帰る知識と類題 ​

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある「中小企業にも有効な企業連携の考え方について教えてください。」は、共通目的、相互補完する経営資源、役割分担、双方の利益を明確にする連携原則について示しています。本問では、「各者の得意資源と役割を分け、共同価値と双方の効果を作る」を2022年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、経営ハンドブック「EC(電子商取引)の基本戦略」は、ECの目的、顧客、商品、運営、情報発信を整理し、実店舗を含む顧客接点と購買へ結ぶ考え方を補う資料として併記します。

公的資料の判断軸この設問への当てはめ答案上の注意
各者の得意資源と役割を分け、共同価値と双方の効果を作る協業相手、自社の提供資源、相手の資源、顧客便益を対応させる相手先名だけ、または一方だけが得する提案にしない

類題は、2021年度事例II第4問 と 2017年度事例II第3問 です。共通点 は、相手の顧客接点と自社の専門能力を補完することです。相違点 は、本問がミールキット宅配相手へ共同開発・献立提案・半加工まで役割提案する点です。

出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「中小企業にも有効な企業連携の考え方について教えてください。」(共通目的、相互補完する経営資源、役割分担、双方の利益を明確にする連携原則) / 中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「EC(電子商取引)の基本戦略」(ECの目的、顧客、商品、運営、情報発信を整理し、実店舗を含む顧客接点と購買へ結ぶ考え方)

この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2022年度の与件事実を主根拠にします。

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