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令和 5 年度(2023 年度)事例 Ⅱ 解答解説
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第 1 問(配点 30 点)
設問文
B 社の現状について、3 C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から 150 字以内で述べよ。
回答例(149 字)
顧客はメンバー不足に悩む少年野球チームと、成長に伴う用具の買替え負担を抱える保護者である。競合は低価格の大型スポーツ用品量販店や品揃え豊富な他球技専門店である。自社は刺繍等の加工・カスタマイズ技術、指定業者としての信頼、体格や技術に応じた提案力が強みだが、価格競争力の低さとICT活用の遅れが弱み。
解説
この問題の着眼点
B社の現状を 顧客・競合・自社の3Cに分け、150字でまとめる与件抜粋型の問題 です。顧客と競合は与件から該当する事実を拾い、自社は 強みと弱みに分けて 整理します。
根拠集めは最初、答案の確定は最後
与件を読みながら、顧客・競合の事実と、自社の強み・弱みの候補をマーキングします。蛍光ペンやボールペンの色、S・Wの印で区別したら、まだ150字へ絞り込まず、第2問以降へ進みましょう。
後続設問で使う強み・補う弱みを1軍、その他を2軍として整理します。買い替え支援、女子の参加促進、オンラインでの関係強化を考えてから戻ると、答案に残す能力と課題が見えてきます。
顧客の困り事と競争の変化から、自社の立ち位置を読む
与件文のどこを見るか
- 第14段落: 成長に伴う買い替えや、より良い用品への買い替えも保護者には金銭的な負担 とあります。顧客は保護者という名前だけでなく、用品の買い替え負担とともに拾います。
- 第15段落: 野球をやりたいという子どもの確保も各チームの課題、 どのチームも女子のメンバー獲得に苦しんでいる とあります。チームの側には、活動を続ける仲間を増やしたい需要があります。
- 第10段落: サッカーやバスケットボール用品の専門店、 大型スポーツ用品量販店、 B社は品揃えの点で見劣り、 B社は価格面で太刀打ちができない とあります。他球技の専門店との品揃え競争、量販店との価格競争を区別します。
- 第7段落: 各少年野球チームから指定業者、 こうした買い替え需要を取り込むことに成功 とあります。チームとの継続取引が、個人の成長に伴う需要をつかむ足場です。
- 第12段落: ユニフォーム加工技術や納品の確かさ、 オリジナル用品への対応力、 子どもたちの体格や技術に応じた野球用品の提案力 とあります。加工・カスタマイズと個別提案が、取引先に評価されている能力です。
- 第21段落: 現在は店舗紹介のホームページを設けている程度 とあります。オンラインの機能を顧客対応へ十分に活かせていない現状が分かります。
顧客と競合は、需要・比較軸を添えて短くまとめる
顧客には メンバー確保に悩む少年野球チームと、買い替え負担を抱える保護者 を置きます。チームは団体で注文し、保護者は子どもの用品を選びます。両方の困り事を押さえると、第2問の負担軽減と第3問の増員支援が、誰に対する施策かはっきりします。
第10段落の 「しかし」 は、多種目へ取扱商品を広げてきた流れから、専門店・量販店との競争へ転じる合図です。競合欄では 他球技専門店の品揃えと、大型量販店の低価格 を比較軸として拾います。過去に周辺のスポーツ用品店が少なかったことより、現在の競争状態を優先します。
第2問以降を解いて、1軍・2軍を分ける
| 自社の候補 | 後続設問とのつながり | 答案に残す方向 |
|---|---|---|
| 体格・技術に応じた用品の提案 | 第2問の適合品への交換、第3問の試用、第4問の個別相談 | 専門的な提案力 を1軍にする |
| 刺しゅう・ユニフォーム加工・オリジナル用品 | 第3問の体験価値、第4問の推奨用品や個別対応 | 加工・カスタマイズ技術 にまとめる |
| 指定業者としての継続取引、確実な納品 | 第3問のチームとの連携、第4問の監督との対話 | チームとの信頼関係 を残す |
| 量販店に価格で対抗できない | 第2問で値下げ以外の利用方式を考える | 価格競争力の弱さ として残す |
| HPが店舗紹介にとどまる | 第4問で対象別の機能・対話を整える | ICT活用の弱さ として残す |
幅広い取扱商品や交通の便も候補ですが、短い自社欄では 顧客の課題解決に使う能力と、競争上補うべき弱さ を先に確保します。強みと弱みを並べることで、安売りではなく個別対応の価値を高める方向が見えてきます。
顧客・競合・自社を150字で答案化する
答案の骨格は、 顧客の困り事+競合の優位性+自社の強み・弱み です。顧客にはメンバー不足と買い替え負担、競合には専門店・量販店、自社には加工・提案・信頼と価格・ICT面の弱さを肉付けします。
「顧客は〜。競合は〜。自社は〜が強みだが、〜が弱み。」と書くと、三つの観点が伝わります。能力の個別例は短い言葉へ束ね、 顧客・競合の記述を自社の強みで圧迫しない ようにします。最後に課題をまとめるなら、具体策を先取りせず、強みを活かす高付加価値化へ結びます。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」は、3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法について示しています。本問では、「顧客・競合・自社、または内部・外部を分けて根拠を整理する」を2023年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。
| 公的資料の判断軸 | この設問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 顧客・競合・自社、または内部・外部を分けて根拠を整理する | 分析の各箱へ与件事実を置き、比較から強みと課題を特定する | 現状分析では後続問の施策を先取りしない |
類題は、2025年度事例II第1問 と 2018年度事例II第1問 です。共通点 は、Customer・Competitor・Companyを与件で比較することです。相違点 は、本問が少年野球市場の現状分析だけを求め、差別化施策の助言を先取りしない点です。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」(3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2023年度の与件事実を主根拠にします。
第 2 問(配点 20 点)
設問文
低学年から野球を始めた子どもは、成長やより良い用品への願望によって、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を何度か買い替えることになるため、金銭的負担を減らしたいという保護者のニーズが存在する。B 社は、こうしたニーズにどのような販売方法で対応すべきか、プライシングの新しい流れを考慮して、100 字以内で助言せよ(ただし、割賦販売による取得は除く)。
回答例(98 字)
成長で交換が必要な用具を、返却・サイズ交換できる定額レンタルで提供する。返却品を点検・再利用して月額を抑え、常に体格と技術に合う用具へ交換する。保護者の初期費用と買替総額を減らし、継続利用を促す。
解説
この問題の着眼点
成長や技能向上に伴う 用品の買い替え負担を減らす販売方法 を100字で助言します。割賦販売を除くという条件を踏まえ、所有するための支払いから、必要な用品を使い続けるための料金へ考え方を変えます。中心は 顧客提供価値をProduct・Priceへ具体化する ことです。
買うたびの負担を、成長に合う用品を使える仕組みへ変える
与件文のどこを見るか
- 第7段落: 成長に伴って何度か、ユニフォーム、バット、グラブ、スパイクといった野球用品を買い替える とあります。購入時の一回だけでなく、成長に合わせて費用が繰り返し発生します。
- 第14段落: 成長に伴う買い替えや、より良い用品への買い替えも保護者には金銭的な負担、 買い替えの負担を理由に野球をやめてしまう子どもたち とあります。負担軽減は、子どもが野球を続けられるかという課題につながります。
- 第12段落: 子どもたちの体格や技術に応じた野球用品の提案力 とあります。交換先を単に大きなサイズにするだけでなく、成長・技能に合う用品を選べます。
- 第19段落: 用品に関する買い替えなどの多様なニーズに応えるいくつかの販売方法を導入する とあります。B社の見直し方針とも対応する助言です。
価格を下げるだけでなく、所有と利用を分ける
保護者が困っているのは、最初に高い用品を買うことに加え、使える期間が終わるたびに新しく買い直すことです。そこで、B社が用品を貸し、合わなくなったら返却して適合品へ交換できる 返却・交換型の定額レンタル が考えられます。利用者は一式を所有し直さず、その時点で必要な用品を使えます。
ここで、 サブスクリプションは継続課金、レンタルは貸与・返却を伴う利用 と分けて理解します。月額で料金を受け取るだけでは、成長に合わなくなった用品の問題は解けません。本問では、定額の料金と返却・交換の仕組みを組み合わせることで、顧客の困り事へ対応します。
第14段落の 「また」 は、直前の量販店への購入流出に加え、買い替え負担による競技からの離脱を示しています。B社で一度買ってもらうだけでなく、 適した用品を使いながら野球を続けられる価値 へ目を向けます。
返却品の再利用を、負担軽減と採算へつなげる
返却された用品を 点検・再利用 し、次の利用者へ貸し出せれば、同じ用品を複数回の利用に活かせます。この仕組みを通じて月額を抑え、保護者の初期費用と買い替え総額を減らす方向を考えます。定額なら必ず安いと決めつけず、利用期間全体の負担を見ることが大切です。
例えば、傷み・安全性・衛生状態を確認し、再貸出に適した用品を対象にします。交換頻度や対象品、点検費用も踏まえて料金を設計する必要があります。これは実施時の条件を考える説明であり、与件に既にレンタル事業があるという意味ではありません。
用品を選ぶ相談を続けながら、成長に合う品へ交換していくことで、B社との継続利用にもつながります。価格の工夫と専門的提案力を組み合わせ、 顧客の負担軽減とB社の長期的な取引を両立させる 考え方です。
販売方法と負担軽減を100字で答案化する
答案の骨格は、 返却・交換できる定額レンタル→点検・再利用で負担軽減→適合品の継続利用 です。最初に料金と利用方式、次に返却品を活かして月額や買い替え総額を抑える仕組み、最後に成長・技術に合う用品と継続利用を肉付けします。
100字では、細かな契約条件を列挙するより、 貸与・返却・交換と、何の費用を減らすか を残します。「サブスクを導入する」だけで終わらず、用品を買い切る方式から何が変わるかを読み手へ伝えましょう。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある「「所有」から「シェア」へ変化する消費者の心をつかみ成長「レンティオ株式会社」」は、月額レンタル、返却、初期負担軽減、再貸出を組み合わせる所有代替型サービスの実例について示しています。本問では、「所有負担を貸与・返却・交換を伴う利用権で解決する」を2023年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、「子供用品のリサイクル」は、成長によるサイズ不適合、短い使用期間、再利用時のメンテナンスに対応する事業視点を補う資料として併記します。
| 公的資料の判断軸 | この設問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 所有負担を貸与・返却・交換を伴う利用権で解決する | 返却・点検・再利用の条件、適合品への交換、月額と買替総額の低減を結ぶ | サブスクとレンタルを同義にせず、所有権と返却条件を示す |
類題は、2024年度事例II第3問 と 2025年度事例II第2問 です。共通点 は、顧客の利用障壁を価格・契約方式で変えることです。相違点 は、本問が成長による交換を返却前提の定額レンタルで解き、返却品の再利用で月額と買替総額を抑える点です。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「「所有」から「シェア」へ変化する消費者の心をつかみ成長「レンティオ株式会社」」(月額レンタル、返却、初期負担軽減、再貸出を組み合わせる所有代替型サービスの実例) / 中小企業基盤整備機構 J-Net21「子供用品のリサイクル」(成長によるサイズ不適合、短い使用期間、再利用時のメンテナンスに対応する事業視点)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2023年度の与件事実を主根拠にします。
第 3 問(配点 20 点)
設問文
女子の軟式野球チームはメンバーの獲得に苦しんでいる。B 社はメンバーの増員のために協力することになった。そのために B 社が取るべきプロモーションやイベントについて、100 字以内で助言せよ。
回答例(98 字)
女子チームと女子児童向け体験会を開き、SNSや学校向けチラシで告知する。初心者に用具を貸し、B社が体格・技術に合う用具を提案するとともに、保護者の相談も受けて野球とチームの魅力を伝え、入団を促す。
解説
この問題の着眼点
女子の軟式野球チームの メンバーを増やすためのプロモーションとイベント を100字で助言します。誰に何を知ってもらい、どんな体験を通じて入団へつなげるかを考える、 ターゲット・顧客提供価値からPromotionへ進む問題 です。
募集を知る段階から、自分も野球をしたいと思う体験へつなぐ
与件文のどこを見るか
- 第15段落: ポスターを貼ったりチラシを配布したりするといった募集活動、 SNSを用いた募集活動への対応、 女子の軟式野球が盛んになってはいるものの、 どのチームも女子のメンバー獲得に苦しんでいる とあります。競技への関心の広がりが、個々のチームの入団に十分つながっていません。
- 第12段落: ユニフォーム加工技術や納品の確かさ、 子どもたちの体格や技術に応じた野球用品の提案力 とあります。B社は用具の販売だけでなく、本人に合う用品選びと加工で体験を支えられます。
- 第20段落: 女子メンバー獲得に苦しんでいるチームを支援、 女子向けの野球用品の提案力を高め とあります。チームの増員とB社の専門的な支援を結びつける方針です。
女子児童と保護者に、参加する場面を具体的に伝える
まず、これから野球を始める可能性のある 女子児童と、その参加を支える保護者 を対象にします。ポスター・チラシにSNSを組み合わせ、開催場所や日時に加え、野球や用具を体験できること、参加するチームの雰囲気を伝えます。情報発信は、参加を判断する材料を届ける役割です。
第15段落の 「また」 以降では、女子野球が盛んになる動きと、参加者を増やせない現状が対比されています。「人気があるから集まる」とはせず、 関心を参加体験へ、参加体験を入団へつなぐ 具体策を考えます。
チームの野球体験に、B社ならではの用具試用を重ねる
女子チームと連携して体験会を開き、B社は体格・技術に合う用品を提案します。初心者には用具を貸し出し、保護者の相談も受ければ、参加前の不安を減らせます。告知で関心を集めるだけでなく、用具を試し、チームの雰囲気を知り、入団を判断できる場まで整えることが、メンバー増員につながります。
告知・体験・入団を100字で答案化する
答案の骨格は、 女子児童への告知+チームと連携した野球・用具体験→魅力を実感し入団 です。告知にはポスター・チラシ・SNS、体験には用具貸出と体格・技術に合う提案を添え、保護者相談から入団へつなげます。加工技術を使う試用は任意の別案であり、答案に必ず含める必要はありません。
100字では、媒体の説明を長くするより、 誰を集め、B社が何を体験させ、どの行動へ結ぶか を残します。チームと開催すること、B社が専門性を発揮すること、メンバー増員という目的が一続きに読める文章にしましょう。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある「地域住民の喜ぶようなイベントを開催するには、どのようなことに留意すればよいでしょうか。」は、対象・目的・効果を定め、地域連携と他施策との相乗効果で再来訪・固定客化を狙う方法について示しています。本問では、「顧客が価値を実感する体験を設計し、口コミ・再訪へつなげる」を2023年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、「売上を伸ばす販売促進ツール」は、実演・体験会・イベント・会員施策等を標的顧客に合わせて組み合わせる方法を補う資料として併記します。
| 公的資料の判断軸 | この設問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 顧客が価値を実感する体験を設計し、口コミ・再訪へつなげる | 地域資源、案内・参加内容、体験後の共有・購買を一続きにする | 媒体やイベント名の列挙だけで終えない |
類題は、2017年度事例II第4問 と 2020年度事例II第4問 です。共通点 は、参加型イベントで新しい顧客の行動を促すことです。相違点 は、本問が女子メンバー募集のため用具貸出や体格・技術に合う用具提案、保護者相談を野球体験と組み合わせる点です。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「地域住民の喜ぶようなイベントを開催するには、どのようなことに留意すればよいでしょうか。」(対象・目的・効果を定め、地域連携と他施策との相乗効果で再来訪・固定客化を狙う方法) / 中小企業基盤整備機構 J-Net21「売上を伸ばす販売促進ツール」(実演・体験会・イベント・会員施策等を標的顧客に合わせて組み合わせる方法)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2023年度の与件事実を主根拠にします。
第 4 問(配点 30 点)
設問文
B 社社長は、長期的な売上を高めるために、ホームページ、SNS、スマートフォンアプリの開発などによるオンライン・コミュニケーションを活用し、関係性の強化を図ろうと考えている。誰にどのような対応をとるべきか、150 字以内で助言せよ。
回答例(143 字)
①チーム監督には、選手のデータ管理や連絡網機能を持つアプリを提供し運営を支援する。②選手と保護者には、HPで体格や技術に応じた推奨用具セットを紹介し、SNSでは個別相談や手入れ方法を発信するなど双方向の交流を図る。成長や買替時期に合わせ継続提案し、顧客との関係性と長期的な売上を高める。
解説
この問題の着眼点
オンライン・コミュニケーションで 誰に、どのような対応をして関係を強めるか を150字で助言します。監督と選手・保護者を分け、それぞれの困り事に合う機能・対話を考えます。中心は 対象別のコミュニケーションからCRMへつなぐこと です。
チームの運営と、個人の用品選びを継続して支える
与件文のどこを見るか
- 第13段落: 各チームの監督ともB社で購入することをなかなか強く言えなくなっている とあります。従来の指定業者という関係だけでは、個人の購入をつなぎとめにくくなっています。
- 第16段落: チームやそのメンバーのさまざまなデータ管理、 スマートフォンを使って何かできないか とあります。監督やチームが日常的に使う機能を考える根拠です。
- 第17段落: ICT企業に勤めている30代の長男 とあります。帰社・承継を機に、デジタル活用を見直す人的な足場があります。
- 第18段落: 子どもたち一人一人の体格や技術、特性に応じた商品カスタマイズの提案力 とあります。個人に合う提案こそ、量販店とは違う価値です。
- 第19段落: 各少年野球チームの監督とのより密接なコミュニケーション、 メンバーや保護者の要望の情報把握、 相談を受けた際のアドバイス とあります。情報は集めた後、相手に合う対応へ戻して使います。
- 第21段落: 現在は店舗紹介のホームページを設けている程度、 SNSやスマートフォンアプリの活用方法 とあります。既存HPの紹介機能から、継続的な支援や対話へ広げる余地があります。
監督には、チーム運営の手間を減らす機能を届ける
監督には、例えば 選手のデータ管理や連絡網を支えるアプリ を提供することが考えられます。チームやメンバーの情報を扱う日常の作業を支援できれば、B社は納品時だけ接する相手から、運営上の相談もできる相手へ近づきます。
第13段落の 「しかし」 は、一括納品できる関係と、個人の購入先を固定できない現状の違いを示します。監督に購入を強く勧めてもらうだけでなく、 チームにも個人にも役立つ対応で信頼を深める 必要があります。
長男のICT企業での勤務経験は、その仕組みを検討する足場です。すべてを自力で開発できると断定せず、実際に運営のどこを助ける機能が必要かを監督との会話から絞ると、導入後も使われるものに近づけられます。
選手・保護者には、相談をその人の用品選びへ返す
選手・保護者の体格や技術に合う推奨用具を紹介し、SNSで相談を受けるだけでなく、成長や買替時期に合わせて次の用品を継続提案します。相談で得た情報を次回提案へ戻すことで、発信が一度きりで終わらず、B社へ相談し続ける理由になります。
対象別の対応と長期関係を150字で答案化する
答案の骨格は、 監督への運営支援+選手・保護者への個別提案→双方向交流による関係強化・長期売上 です。監督にはデータ管理・連絡機能、選手・保護者にはHPの推奨用具とSNSの相談・手入れ情報を肉付けします。
「監督には〜。選手・保護者には〜。」と相手を先に置けば、誰への対応かが明確になります。媒体名ごとの説明で字数を使うより、 相手の困り事・対応・継続する理由 を残し、二つの対象への支援を関係強化という効果へまとめましょう。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある「CRMの導入についてその進め方と注意点などを教えてください。」は、顧客情報を目的別に整備・分析し、個別対応、関係深化、次の改善へ循環させる方法について示しています。本問では、「顧客情報を次の個別対応と関係深化へ活用する」を2023年度事例IIの与件事実と設問要求へ当てはめます。
| 公的資料の判断軸 | この設問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 顧客情報を次の個別対応と関係深化へ活用する | 必要情報、個別対応、満足・再購買の順で因果を作る | 情報収集や一斉配信だけで終えない |
類題は、2025年度事例II第3問 と 2017年度事例II第2問 です。共通点 は、顧客情報を対象別の個別対応へ使うことです。相違点 は、本問が監督と選手・保護者を分け、アプリ・Web・SNSの機能を変える点です。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「CRMの導入についてその進め方と注意点などを教えてください。」(顧客情報を目的別に整備・分析し、個別対応、関係深化、次の改善へ循環させる方法)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2023年度の与件事実を主根拠にします。

