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平成 20 年度(2008 年度)事例 Ⅲ 解答解説
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第 1 問(配点 20 点)
設問文
C 社の置かれている経営環境の中で、有効に活用できる「経営資源」を(a)欄に 20 字以内で 1 つあげ、それを生かした経営戦略を(b)欄に具体的に 80 字以内で述べよ.
回答例(18,80 字)
【a欄(経営資源)】超精密・難加工に対応する金型技術力。 【b欄(経営戦略)】超精密・難加工技術で高難度金型の複数取りや原価低減を提案する。海外工場向け調達・修理にも対応し、技術相談と継続保守で顧客関係を深め、高付加価値の継続受注へ結ぶ。
解説
この問題の着眼点
活用できる経営資源をa欄20字、その資源を生かす戦略をb欄80字で答えます。 技術の名前と、その技術で誰にどんな価値を提供するか を対応させます。
高い技術を、顧客が選ぶ理由へ変える
与件文のどこを見るか
- 第1段落: 難易度の高い金型製作 、 一型でとれる個数を最大限に増やす(複数取り)提案 、 コスト低減に結びつく提案 とあります。難しい金型を作るだけでなく、顧客の生産性へ貢献できます。
- 第3段落: 取引先の海外工場における金型調達や修理 とあります。国内工場から対応できる需要の広がりです。
- 第4段落: 有力企業には金型発注が集中する傾向 とあります。C社の技術を受注へ結びつける機会です。
難しい金型を作る力と、生産性を高める提案を結ぶ
C社は小型から中型を得意とし、難易度の高い金型を製作できます。さらに、一つの型で複数個を取る工夫や、顧客の製造コストを下げる提案もできます。 高難度の加工技術と、豊富なノウハウによる改善提案 が資源の中心です。
a欄には、この関連する能力を金型技術力という一つの資源へまとめます。従業員数や売上規模だけを挙げるより、b欄で具体的な価値へ結びつけられる資源を選びます。
何を提供し、どこで活用するかを具体化する
| 活かす能力 | 顧客への価値・戦略の方向 |
|---|---|
| 高難度の金型製作 | 技術を必要とする高付加価値案件を受ける |
| 複数取り・コスト低減の提案 | 顧客の生産性・原価を改善し、価格だけの競争を避ける |
| 海外工場の調達・修理への対応 | 海外展開する既存取引先の需要も取り込む |
工場は国内のみですが、取引先の海外工場にも対応できると評価されています。 国内の技術を海外向けの供給・修理需要へ活かす 方向も考えられます。海外へ自社工場を建てることを前提にする必要はありません。
需要の縮小と、選ばれる企業への発注集中を読む
第4段落の 一方 は、厳しい市場全体の動きと、有力企業への発注集中を対比しています。市場が縮んでいるからこそ、C社の技術が必要な案件を選び、顧客の改善へ貢献する方向を示します。
大型金型への展開も候補になりますが、現在の主な得意領域は小型・中型です。受注の継続性と生産体制の整備は第2問で判断し、既に大型品を効率よく量産できるとは書きません。
資源20字・戦略80字で答案化する
答案の骨格は、高難度金型の技術で顧客の生産性・原価を改善し、調達・修理と技術相談を継続関係へ結ぶ、です。単発の製作受注だけでなく、保守や相談を通じて顧客の課題を把握し、次の高付加価値案件につなげる戦略を提案します。a欄の金型技術力は維持します。大型化には第2問の能力・投資判断が必要なため、既に大型量産へ対応済みとは書きません。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」は、3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法について示しています。本問では、「自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること」を2008年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること | 経営資源と戦略適合と外部環境の機会を、与件の事実と設問要求に対応させる | 戦略名だけを書かず、対象市場、自社能力、実行条件、期待効果を因果で示す |
類題は、2024年度事例III第5問です。
- 共通点:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、経営資源と戦略適合の判断へ変換する点が共通します。
- 相違点:本問は「経営資源と戦略適合→外部環境の機会→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「保有技術を生かす新事業と、その実行体制」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」(3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2008年度の与件事実を主根拠にします。
第 2 問(配点 30 点)
設問文
これまで手がけてきた小型から中型の金型に加えて、取引先から大型金型の製作を C 社は求められている.
(設問 1)
取引先からの生産要請に応えることは、C 社にとってどのような機会としてとらえるべきかを、外部環境の変化という視点から 100 字以内で述べよ.
(設問 2)
大型金型の生産要請に応えるために検討すべき生産面の課題を 100 字以内で述べよ.
回答例(100,100 字)
【設問1】自動車や電機分野の需要縮小と国内需要の低迷が進む中、有力企業への発注集中傾向は好機である。既存取引先からの大型案件は、この流れを捉え、新たな収益源となる大型金型市場へ参入し事業を多角化する機会となる。 【設問2】受注の継続性・数量を見極め、既存設備や外注で対応する案と大型設備投資を、能力・採算面で比較する。選んだ生産方法に応じ、金型設計・部品加工・仕上げの各工程で大型化の技術を蓄積し、全工程の能力を確保する。
解説
この問題の着眼点
大型金型の要請を、設問1では 外部環境から見た機会 、設問2では 応えるための生産面の課題 として各100字で説明します。魅力があることと、設備投資をすべきことは分けて考えます。
受注の機会と、生産の準備を分ける
与件文のどこを見るか
- 第4段落: 国内生産の低迷による金型需要の縮小 、 有力企業には金型発注が集中する傾向 とあります。市場全体の縮小とC社が得られる機会を分けます。
- 第5段落: 1メートルを超える大型製品用 、 長期にわたって継続するかは定かではなく とあります。新しい領域への要請ですが、継続受注は確定していません。
縮小する市場でも、C社へ仕事が集まる可能性がある
国内需要の低迷や海外での現地調達は厳しい変化ですが、有力企業には発注が集まっています。既存取引先からの大型金型要請は、 現在の技術と評価を足場に、製作領域と収益源を広げる機会 です。これが設問1の中心です。
受注期間に応じて、生産方法を選ぶ
一時的な要請なら既存設備や外注を活用する対応があります。長期の受注が見込めるなら、大型加工に適した設備を検討します。さらに、設計・部品加工・仕上げの各工程で技術と能力をそろえる必要があります。これが設問2の中心です。
| 設問 | 答える内容 |
|---|---|
| 設問1 | 需要縮小と発注集中を背景に、大型金型へ展開する機会 |
| 設問2 | 継続性を踏まえた投資判断と、全工程の技術・能力整備 |
大型金型への対応を設問別に答案化する
答案の骨格は、次の論点を設問の順に整理することです。
設問1の機会の説明は維持します。設問2の骨格は、需要の継続性と数量を見極め、既存設備・外注・新設備を能力と採算で比較し、設計から仕上げまでの技術と能力を整える、です。受注が長期なら自動的に設備を買うのではなく、投資負担に見合うか、外注との組合せで対応できるかを判断します。設備の確保と各工程の技術習得を分け、全体として大型金型を作れる体制を課題にします。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」は、3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法について示しています。本問では、「自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること」を2008年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、経営ハンドブック「製造現場の生産性向上」は、事業領域と強みを踏まえ、設備、IT、生産管理システム、CAD/CAM等で製造現場の生産性を高める方法を補う資料として併記します。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること | 外部環境の機会と生産能力計画を、与件の事実と設問要求に対応させる | 戦略名だけを書かず、対象市場、自社能力、実行条件、期待効果を因果で示す |
類題は、2024年度事例III第5問です。
- 共通点:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、外部環境の機会の判断へ変換する点が共通します。
- 相違点:本問は「外部環境の機会→生産能力計画→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「保有技術を生かす新事業と、その実行体制」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」(3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法) / 中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「製造現場の生産性向上」(事業領域と強みを踏まえ、設備、IT、生産管理システム、CAD/CAM等で製造現場の生産性を高める方法)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2008年度の与件事実を主根拠にします。
第 3 問(配点 25 点)
設問文
外注企業に「金型部品加工」の多くを依存している C 社が、短納期化を図るには、外注企業との間で、どのようなデータを共有すればいいかを、具体的なデータをあげるとともに、そのデータの共有化が「短納期化」だけでなく、生産面でどのような効果を持つかについて 140 字以内で述べよ.
回答例(140 字)
着手・完了予定と実績、工程別進捗、設備・要員の負荷、不良・再加工、納入予定を共有し、遅延予兆に応じ日程と投入順を調整する。変更図面・加工仕様の最新版も即時共有し、旧仕様による誤加工・作り直しを防ぐ。工程を同期して仕上げの手待ちと仕掛在庫を減らし、短納期化と品質・生産性向上を図る。
解説
この問題の着眼点
外注企業と共有する具体的なデータと、短納期化以外の生産面の効果を140字で答えます。 何を共有し、どう調整し、どの無駄や不良を減らすか をつなぎます。
日程の余裕に頼る管理から、進捗を見て合わせる管理へ
与件文のどこを見るか
- 第9段落: 進捗状況が時間単位で管理 、 生産の進捗状況の把握は行われていない 、 日程的に多少の余裕を持たせている 、 生産予定に影響するケースはほとんどなかった とあります。社内と外注の管理の違い、従来問題を吸収した余裕を読みます。
外注工程の状況が見えない部分を補う
社内の部品加工は作業指示票で時間単位に管理されています。一方、外注先には部品図面と加工データを渡しているものの、納入日を決めるだけで進捗は把握していません。 共有する図面がないのではなく、作業の予定と現状が見えない ことが問題です。
第9段落の しかし 以降には、従来は日程に余裕を持たせ、仕上げへの影響がほとんどなかったとあります。遅延が多発していると書かず、短納期化でこの余裕を縮めるために、進捗を把握する必要があると読みます。
予定と実績、能力と負荷、品質の情報を組み合わせる
| 共有するデータ | 何を判断するか |
|---|---|
| 部品の着手・完了予定と実績、工程別進捗、納入予定 | 予定どおりに部品がそろうか |
| 設備・要員の能力と負荷、遅延要因 | どの工程を調整し、どの部品を優先するか |
| 不良・再加工の内容と状況 | 品質問題で完成が遅れるか、何を是正するか |
C社と外注先で随時更新し、 遅れの兆候を見て、日程と投入順を早く調整する ために使います。データの名前だけを並べず、使い道を短く添えます。
短納期に加え、手待ち・仕掛・品質ロスを減らす
部品がそろう時期と仕上げ日程を合わせれば、仕上げ工の手待ちを減らせます。必要以上に早く作った部品の滞留も抑えられ、仕掛在庫の削減につながります。不良・再加工の共有は早期是正にも使えます。
つまり、 工程の同期→手待ち・仕掛の削減、外注品質と生産性の向上 が、短納期以外の効果です。C社内部の管理を外注との間までつなぐことに意味があります。
共有データと効果を140字で答案化する
答案の骨格は、予定実績・負荷を共有して工程を同期し、最新版の図面・仕様を共有して誤加工を防ぐ、という二つの経路です。既に外注先へ部品図面と加工データを渡しているため、新たに図面を渡すだけの説明にしません。変更時に最新版へそろえることで旧仕様での加工や作り直しを減らします。日程調整による手待ち・仕掛の削減と合わせ、短納期以外の品質・生産性への効果も示します。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある「サプライチェーン・マネジメントを導入するには、どのようにすると良いですか?」は、需要情報を生産計画へ反映し、取引先・仕入先を含めて情報とリスクを共有し全体最適化する方法について示しています。本問では、「工程・受注・在庫の情報を可視化して共有し、標準化した運用と改善へ使うこと」を2008年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 工程・受注・在庫の情報を可視化して共有し、標準化した運用と改善へ使うこと | 外注先との連携と生産管理情報を、与件の事実と設問要求に対応させる | IT導入だけで終わらず、誰が、いつ、どの情報を更新し、何を判断するかを書く |
類題は、2024年度事例III第3問です。
- 共通点:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、外注先との連携の判断へ変換する点が共通します。
- 相違点:本問は「外注先との連携→生産管理情報→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「短納期に対応する生産計画と工程統制」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「サプライチェーン・マネジメントを導入するには、どのようにすると良いですか?」(需要情報を生産計画へ反映し、取引先・仕入先を含めて情報とリスクを共有し全体最適化する方法)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2008年度の与件事実を主根拠にします。
第 4 問(配点 25 点)
設問文
C 社では、「仕上げ工」の増員を考えている。一人前になるには何年もかかると言われている「仕上げ工」を育成するにはどのような方法があるかを述べるとともに、「仕上げ工」の増員はグローバル化時代の C 社の経営戦略にどのような可能性を持つかについて 140 字以内で述べよ.
回答例(133 字)
ベテランが実作業で段階的に指導し、仕上げの判断や要点を教材にして共有するとともに、技能表で到達度を確認して担当範囲を広げる。育成した技能者を国内の高難度金型と短納期対応に配置し、余力を確保して海外工場の金型調整・修理へ派遣することで、国内供給を守り取引関係を深める。
解説
この問題の着眼点
仕上げ工を育てる方法と、増員・育成が経営戦略へ開く可能性を140字で答えます。 技能を育てる仕組み→仕上げ能力の向上→高付加価値需要への対応 という流れです。
人数を増やすことを、使える技能の増加へつなぐ
与件文のどこを見るか
- 第3段落: 工場は国内のみ 、 取引先の海外工場における金型調達や修理 とあります。グローバル化の中で期待される役割です。
- 第7段落: 加工した部品の組立、調整、みがき とあります。仕上げ工へ承継する技能の対象です。
- 第10段落: 50歳を超えるベテランが11人 、 今後30人近くまで増やしていきたい 、 要員増が即戦力増につながらない とあります。人員確保だけでなく、技能育成の仕組みが必要です。
ベテランが判断していることを、教えられる形へする
仕上げは組立・調整・みがきなどの技能を要し、採用だけでは即戦力が増えません。ベテランの作業を分解し、手順、確認点、判断の目安を手順書や動画へ整理します。 何を見て、どう手を動かし、良否をどう確かめるか を共有することが出発点です。
20人中11人が50歳を超えるベテランです。年齢を能力の問題とするのではなく、蓄積した技能を指導へ活かし、次の担当者へ伝える資源として読みます。
段階別のOJTと実技評価で、習得を確かめる
技能マップと到達基準を作り、指導者を決めて難易度に応じたOJTを進めます。外部研修も組み合わせ、実技で到達度を確認して任せる作業を広げます。 手順を見せる→実践する→評価し補う という育成を、若手・中途採用者に合わせて行います。
資料だけで何年もかかる技能がすぐ身につくとは考えず、実作業の経験と指導を継続する仕組みにします。
仕上げの制約を緩め、海外向けの調達・修理にも対応する
仕上げの担い手が育てば、最終工程の能力を高め、短納期や高難度の金型に対応しやすくなります。顧客の海外展開に伴う金型調達・修理にも、国内の技能を活かす余地が広がります。
ここでの海外工場は 取引先の海外工場 です。C社の工場は国内にあるため、自社海外工場の新設を当然の結論にせず、 供給・修理を支える技術対応力を高める 戦略として説明します。
育成方法と戦略の可能性を140字で答案化する
答案の骨格は、次の論点を設問の要求に沿って組み立てることです。
採用人数が増えても即戦力になるとは限らないため、ベテランによる指導と判断の教材化、到達度に応じた担当拡大を行う。国内の仕上げ能力を維持しながら海外の調整・修理支援へ人材を配分することで、取引先のグローバル展開に対応する。
公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある「マニュアルで表せない技術の伝承方法を教えてください。」は、技能を収集・保存・分析・標準化・展開・改善し、若手へ形式知として伝える方法について示しています。本問では、「必要人材の役割を明確にし、育成負担と受入体制まで含めて人材能力を形成すること」を2008年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、経営ハンドブック「海外展開の基本的な戦略」は、海外展開手段を選び、現地パートナー、人材、取引条件、技術管理を整える要点を補う資料として併記します。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 必要人材の役割を明確にし、育成負担と受入体制まで含めて人材能力を形成すること | 技能承継と差別化集中戦略を、与件の事実と設問要求に対応させる | 採用・OJTという手段だけでなく、承継する技能、標準、評価方法を特定する |
類題は、2018年度事例III第2問です。
- 共通点:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、技能承継の判断へ変換する点が共通します。
- 相違点:本問は「技能承継→差別化集中戦略→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「作業方法の問題点を分析し、標準化する工程改善」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
出典:中小企業基盤整備機構 J-Net21「マニュアルで表せない技術の伝承方法を教えてください。」(技能を収集・保存・分析・標準化・展開・改善し、若手へ形式知として伝える方法) / 中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「海外展開の基本的な戦略」(海外展開手段を選び、現地パートナー、人材、取引条件、技術管理を整える要点)
この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2008年度の与件事実を主根拠にします。

