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平成 28 年度(2016 年度) 事例 Ⅰ ​

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# 平成 28 年度(2016 年度) 事例 Ⅰ

## 与件文

A 社は、大正時代の半ばに現社長の祖父が創業した、資本金 4,000 万円の地方都市に本社を置く老舗印刷業者である。戦後まもなく株式会社に改組してから一族で経営を承継し、A 社社長は 5 代目である。現在の A 社の売上はおよそ 15 億円であるが、リーマンショック以降売上は減少傾向で、ここ数年利益もほとんど出ておらず、赤字経営に近い状態で推移している。A 社社長の目下の経営課題は、売上や利益を確保し、100 年近い同社の歴史を絶やさないことにある。しかし、こうした厳しい経営状況にもかかわらず、およそ 150 人前後で推移してきた従業員(非正規社員 15 人前後を含む)のリストラを A 社社長自身考えていない。A 社ではこれまでも経営理念の一つとして掲げてきた「社員は宝」のスローガンの下で、新卒社員や女性社員の採用を積極的に進め、人件費以外の部分で効率化を図ることに注力してきた。

A 社の売上の 70%程度を占めているのは、卒業式前後に生徒・学生に配布する学校アルバム事業であり、創業以来の主力製品である。現在、全国およそ 3,000 校のアルバム制作を手掛け、年間の学校アルバム製造部数は 30 万部を超えている。製版から製本までのアルバム制作の全工程を一貫して自社内で行っており、国内シェアもトップクラスである。残りの売上の 30%を占めているのは、1970 年代から取り組んできた一般印刷事業、1980 年代にスタートさせた美術印刷事業とその他新規事業である。

A 社の業績が悪化し始めたのは、2000 年代になってからのことであり、それ以前、同社の業績は右肩上がりで推移していた。1990 年代半ばの売上は、現在よりも 10 億円以上多く、経常利益率も 10%を超えていた。当時の A 社の成長を支えてきた要因の一つは、今日でも経営理念として引き継がれている人材力の強化、すなわち社員教育の成果にあったといえる。

1970 年代半ばに 3 代目社長が、他社に先駆けてオフセット印刷機を導入したのを契機にして、独自で技術開発に取り組んで印刷精度を向上させた。それによって学校アルバム事業を拡大させ、高い印刷精度が求められる美術印刷事業にも参入している。また、社員教育に力を注ぎ、企画力やデザイン力を強化・向上させたことで、他社と差別化を図ることもできるようになった。さらに、教育効果を高めるために、1980 年代半ばには、自社所有の遊休地に研修施設を建設し、新入社員研修や従業員の体験学習、小集団活動を積極的に促してきた。

1980 年代後半、将来の少子化時代の到来や OA(オフィス・オートメーション)化の進展が見込まれるようになると、順調に事業を拡大させてきた A 社でも、学校アルバム事業や印刷事業の成長の可能性に懸念を抱くようになり、事業多角化を模索し始めた。3 代目社長のリーダーシップの下で、自社企画のカレンダーやメモ帳、レターセットなどの印刷関連のオリジナル製品を開発し、商品見本市などでの販売を開始した。その一方で、自社での社員教育の成功体験や施設を活かすことを目的とした企業研修事業や、工芸教室などの教育関連事業にも参入した。また、当時の CI(コーポレート・アイデンティティ)ブームの下で、地元のコンサルティング会社と提携して、企業イメージのトータルデザインを手掛けるコンサルティング事業や自らの顧客である写真館の店舗デザインを助言するといった事業を手掛けるようになった。さらに、漫画雑誌やタウン誌を編集し発行する出版事業にも手を伸ばした。もっとも、1990 年代後半にあっても売上のおよそ 80%を学校アルバム事業が占めていることから、業績伸張の要因は、1980 年代後半に立ち上げたそれら事業ではなく、同社が学校アルバム事業を核に蓄積してきた高度な印刷技術を活用した、一般印刷や美術印刷など印刷事業の拡大にあったことがわかる。2000 年代になると、4 代目社長が他社に先駆けて進めてきたデジタル化によって、時間やコストの大幅な削減が実現された。

しかし、現社長が就任した 2003 年を前後して、印刷業界の経営環境が大きく変化した。インターネットが急速に普及し始めて、出版系の需要が大幅に減少した。加えて、印刷のデジタル化によって専門性の高い製版技術が不要になり、他業種から印刷事業への新規参入が急増するようになった。印刷業界では、新規参入企業との価格競争が激化し、1998 年以降の約 10 年間で市場規模が 2 兆円以上縮小し、少なからぬ企業がこの市場からの撤退を余儀なくされた。その厳しい状況の中で、A 社社長は 100 年の歴史を背負うことになったのである。

さらに、2008 年のリーマンショックの余波が、印刷業界を襲った。少子高齢化、価格競争の激化、景気低迷といった逆風の中で、このままでは生き残ることさえ難しいと感じた A 社社長は、経営改革を決意した。まず着手したのは、多角化した事業に分散していた経営資源を主力製品であるアルバムに集中し強化することであった。少子化の中で学校数が減少し学校アルバム市場が縮小するとともに、デジタルカメラの普及以来、それまで学校とのパイプ役を果たしていた地域の写真館の数が減少する中で事業規模を維持していくためには、アルバムの新たな市場や需要を開拓することが不可欠となった。そこで、ターゲット市場を学校だけに限るのではなく、美術館や企業、そして一般消費者のアルバム需要を掘り起こすことに力を入れる体制作りをスタートさせた。少量印刷・高品質印刷が可能な最先端のデジタル印刷機を導入して、得意としてきた美術印刷事業のさらなる強化に加え、定年退職者の記念アルバムや子供の成長記録アルバムの商品化など新規事業を立ち上げた。とはいえ、それら事業を展開するためには、これまでの学校アルバム事業と異なる営業戦略、事業運営体制が必要となる。生産現場の従業員を営業担当に配置換えするとともに、巨大な潜在市場を抱える大都市圏にも営業所を設けるなどして、営業力強化の体制作りに取り組んだ。

それと同時に、組織改革にも着手した。「営業 ⇒ 企画 ⇒ 編集 ⇒ 印刷 ⇒ 製本 ⇒ 発送」といった一連の工程を中心に学校アルバム事業に適応するよう編成してきた機能別組織体制を見直し、アルバム事業、一般印刷事業、美術印刷事業、教育関連事業など、複数の事業間に横串を刺すことによって、全社が連動し人材の流動性を確保できるような組織に改変した。

いうまでもなく、A 社の経営改革が結実するまでには時を待たなければならないが、労働人口の減少が著しい地方都市にあって 100 年の節目を迎えるためにも、さらなる経営改革の推進とともに、それを実現していく有能な人材の確保が必要であることは確かである。

## 設問文

### 第 1 問(配点 40 点)

業績が好調であった A 社の 3 代目社長の時代に進められた事業展開について、以下の設問に答えよ。

#### 設問 1

当初立ち上げた一般印刷事業などの事業展開によって A 社は成長を遂げることができた。その要因として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で述べよ。

#### 設問 2

1990 年代後半になっても売上の大半を学校アルバム事業が占めており、A 社の 3 代目社長が推し進めた新規事業が大きな成果を上げてきたとはいえない状況であった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で述べよ。

### 第 2 問(配点 40 点)

A 社の現社長(5 代目)の経営改革に関連して、以下の設問に答えよ。

#### 設問 1

A 社が、新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について、これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら、中小企業診断士として、どのような助言をするか。100 字以内で述べよ。

#### 設問 2

A 社では、これまで、学校アルバム事業を中核に据えた機能別組織体制を採用していたが、複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改変した理由を、100 字以内で述べよ。

### 第 3 問(配点 20 点)

業績低迷が続く A 社が有能な人材を確保していくためには、どういった人事施策を導入することが有効であると考えられるか。中小企業診断士として、100 字以内で助言せよ。

## 出題の趣旨

### 第 1 問(配点 40 点)

#### 設問 1

当初立ち上げた印刷事業が成長した要因について、分析する能力を問う問題である。

#### 設問 2

印刷事業関連以外の新規事業が大きな成果を上げることのできなかった要因を把握する能力を問う問題である。

### 第 2 問(配点 40 点)

#### 設問 1

学校アルバム事業との事業展開の比較を通して、新規アルバム事業の事業展開において留意すべき点を分析し、適切な助言をする能力を問う問題である。

#### 設問 2

新規事業を展開する上で、複数事業間で人材の流動性を確保する組織に改変した理由について、分析する能力を問う問題である。

### 第 3 問(配点 20 点)

業績低迷が続く地方都市の中小企業が、事業を継続していく上で必要となる人材をいかに確保していくかについて、適切な助言をする能力を問う問題である。

# 平成 28 年度(2016 年度)事例 Ⅰ 解答解説

## 第 1 問(配点 40 点)

業績が好調であったA社の3代目社長の時代に進められた事業展開について、以下の設問に答えよ。

### 設問 1

当初立ち上げた一般印刷事業などの事業展開によってA社は成長を遂げることができた。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で述べよ。

### 回答例(99 字)

**学校アルバムで培った印刷技術と、社員教育による企画・デザイン力を一般・美術印刷へ展開した。設備の先行導入と独自開発で精度を高め、一貫制作で品質・納期を管理して顧客の要望に応え、他社と差別化したため。**

### 解説

#### この問題の着眼点

問われているのは、当初の一般印刷などへの事業展開で成長できた要因です。 **学校アルバムで培った技術と人材の能力を、関連する事業へ展開できたこと** を軸に、100字で説明します。

#### 与件文から成長を支えた能力を読む

##### 与件文のどこを見るか

- 第3段落: **人材力の強化、すなわち社員教育の成果** とあります。設備だけでなく、社員が身につけた能力も成長を支えています。
- 第4段落: **他社に先駆けてオフセット印刷機を導入**、 **独自で技術開発に取り組んで印刷精度を向上**、 **企画力やデザイン力を強化・向上** とあります。設備の先行導入に独自技術と社員教育を組み合わせ、他社と差別化しています。
- 第5段落: **学校アルバム事業を核に蓄積してきた高度な印刷技術を活用した、一般印刷や美術印刷など印刷事業の拡大** とあります。成長したのは、既存の印刷技術を使える事業への展開だったと確認できます。

##### 多角化の数ではなく、成長を生んだ事業を確かめる

第5段落の **「もっとも」** は、多くの新規事業を始めたという説明から、実際の業績を支えたのはどの事業かへ視点を切り替えます。教育や出版などへの参入をすべて成功要因に含めず、高度な印刷技術を活用できた一般印刷・美術印刷に注目します。

#### 設備を使いこなす技術と、顧客に合わせる人材力を組み合わせる

##### 印刷精度を高め、関連する仕事へ展開する

オフセット印刷機の導入は出発点であり、その後の独自技術開発によって印刷精度を高めています。高精度の印刷ができる能力は、学校アルバムだけでなく、品質が重視される美術印刷にも使えます。 **一つの事業で培った技術を、共通する品質要求のある事業へ展開したこと** に成長の理由があります。

機械の名前を挙げるだけでは、A社が他社より選ばれた理由が見えません。先行導入した設備を独自技術で使いこなし、印刷品質として顧客に提供できた、というつながりを説明します。

##### 企画・デザイン力が、印刷品質に付加価値を加える

第4段落の **「また」** は、印刷技術に加え、社員教育で企画・デザイン力を高めたことを示します。例えば、何をどのように伝える印刷物にするかを考え、見せ方まで工夫できれば、単に依頼どおり刷る以上の価値を提供できます。これは、社員教育が顧客への提案と差別化へつながる働きです。

したがって、成長要因は **高い印刷精度と、企画・デザイン力を組み合わせた関連事業への展開** とまとめられます。2000年代のデジタル化による効率向上は後の取り組みなので、当初の成長要因とは時点を分けます。

#### 関連事業への展開で成長した要因を100字で答案化する

答案の骨格は、次の論点を設問の順に整理することです。

技術と人材の能力を一般・美術印刷へ応用したことを中心に、設備の先行導入と独自開発による精度向上を示します。さらに一貫制作の仕組みが、工程をまたいだ品質・納期の管理を可能にし、顧客要望への対応を支えたと結びます。保有資源の列挙で終えず、関連事業で顧客に選ばれる理由まで残します。



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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」は、SWOTによる内部・外部環境の整理、顧客・取引先の声を集める仕組み、異業種・異分野との接点づくりについて解説しています。本問では、「自社の経営資源を特定する」と「資源を競争優位へ結び付ける」を2016年度の与件事実と設問要求へ当てはめます。

| 公的資料の判断軸 | 2016年度への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 自社の経営資源を特定する | 高い印刷精度、企画・デザイン力、教育の仕組み | 「技術力が高い」だけで終えない |
| 資源を競争優位へ結び付ける | 一般印刷・美術印刷へ展開して差別化 | 新規事業名の列挙で終えない |
| 能力開発を継続する | 研修施設、体験学習、小集団活動 | 設備導入だけを成長要因にしない |

類題は、**2014年度事例I第4問**(専門知識・外部知見・現場ノウハウを品質向上へ統合する問題)、**2018年度事例I第1問**(限られた資源と技術力を競争戦略へ結び付ける問題)、**2025年度事例I第1問**(既存技術と連携網を新規事業の強みとして整理する問題)です。共通点は、資源名を書くのではなく、資源がどの顧客価値・成果を生むかまで因果化することです。

> 出典:[独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/development/system.html)(SWOTによる内部・外部環境の整理、顧客・取引先の声を集める仕組み、異業種・異分野との接点づくり)

> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2016年度の与件事実を主根拠にします。

### 設問 2

1990年代後半になっても売上の大半を学校アルバム事業が占めており、A社の3代目社長が推し進めた新規事業が大きな成果を上げてきたとはいえない状況であった。その要因として、どのようなことが考えられるか。100字以内で述べよ。

### 回答例(100 字)

**社員教育の経験や施設を活かして教育、コンサルティング、出版等へ進出したが、高度な印刷技術だけでは各市場の営業・運営に対応しきれなかった。多角化で経営資源も分散し、新規事業の競争力を十分に築けなかった。**

### 解説

#### この問題の着眼点

問われているのは、3代目社長が進めた新規事業が、1990年代後半にも大きな成果を上げていなかった要因です。 **既存の強みを新市場で使える範囲と、経営資源の分散** を結び、100字で説明します。

#### 与件文から多角化の狙いと成果の隔たりを読む

##### 与件文のどこを見るか

- 第5段落: **自社での社員教育の成功体験や施設を活かす**、 **コンサルティング事業**、 **出版事業にも手を伸ばした**、 **売上のおよそ80%を学校アルバム事業が占めている** とあります。既存資源を転用する発想はあったものの、多様な事業が大きな売上の柱には育っていません。
- 第7段落: **多角化した事業に分散していた経営資源** とあります。後の改革の記述から、限られた資源が多くの事業へ分かれていた状態を確認できます。

##### 始めたことと、成長の柱になったことを分ける

第5段落の **「もっとも」** 以降では、多様な参入先の紹介に対し、学校アルバムが売上の約80%を占める実態が示されます。売上比率だけで各事業の赤字や全面的な失敗を決めるのではなく、新規事業が十分に育たなかった理由を探します。

#### 資源を転用できても、顧客を獲得する力まで同じとは限らない

##### 社内での成功と、社外へ売る事業の違い

企業研修には社内教育の経験や施設を使えますし、コンサルティングにはデザインの知見を活かす余地があります。そのため、これらが既存事業と全く無関係だったわけではありません。ただし、自社の社員を教育できることと、他社の課題に合う研修を企画して受注することには違いがあります。出版も、印刷する能力だけでなく、読者が求める内容を編集して販売する力が必要です。

 **一部の設備・経験を使えることと、事業を成立させる能力がそろうことは別** と考えます。企業研修や企業向けコンサルティングも法人向けなので、法人取引の経験との関連性が低いことだけでは説明できません。印刷技術を活かせた一般印刷・美術印刷との比較から、新市場に必要な顧客獲得や事業運営の能力を十分に補えなかった、と推論します。この能力不足は与件に明記された事実ではなく、事業内容と成果の隔たりから導く分析です。

##### 多くの事業を育てようとすると、不足する能力を補う資源も分かれる

顧客も必要な仕事も違う事業を並行して育てるには、それぞれに人材・時間・資金が必要です。限られた資源が分散すれば、不足する営業や運営の能力を十分に整えることが難しくなります。印刷技術を共用する関連多角化のように、既存の強みを繰り返し使う相乗効果(シナジー)も得にくくなります。

第7段落の **「まず」** に続く改革は、分散した資源をアルバムへ集中することです。これは2008年以降の改革についての記述です。1990年代後半の資源分散を直接示す事実ではないため、多様な事業への進出と成果の乏しさに照らして、当時も資源が分散していた可能性を考える補助材料にとどめます。答案の「経営資源も分散し」は、この事業展開から導く推論です。2000年代の需要減少や価格競争を、そのまま1990年代後半の原因として混ぜないようにします。

#### 新規事業が十分な成果を上げなかった要因を100字で答案化する

答案の骨格は、 **教育経験・施設等の転用→新市場の営業・運営への対応不足+経営資源の分散→競争力を十分に築けない** です。冒頭で活用できた資源を認めたうえで、高度な印刷技術だけでは補えない能力と、資源配分の問題を結びます。

100字では参入先を全件並べず、**既存事業との関連性と資源配分**を残します。「多角化したから失敗した」ではなく、何を使いにくく、何が分散したため成長につながらなかったのかを示しましょう。



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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための基本方針」は、限られた経営資源を顧客・商品・商圏・販路へ選択・集中する考え方について解説しています。本問では、「限られた資源を強みに集中する」と「事業間の資源共有を確認する」を2016年度の与件事実と設問要求へ当てはめます。

| 公的資料の判断軸 | 2016年度への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 限られた資源を強みに集中する | 印刷技術・企画力を生かせる事業を優先 | 事業数の多さだけを失敗原因にしない |
| 事業間の資源共有を確認する | 一般印刷・美術印刷には技術シナジーがある | 「新規事業だから失敗」と決めない |
| ポートフォリオ全体で配分する | 教育・コンサル・出版への資源分散を見直す | 売上構成比と将来性の両方を見る |

類題は、**2015年度事例I第2問**(異質な事業を関連会社化する理由を問う問題)、**2021年度事例I第3問**(事業ドメイン拡大の利点・欠点を問う問題)、**2025年度事例I第1問**(新規事業へ転用できる強み・弱みを整理する問題)です。共通点は、新しさではなく、既存資源・顧客との関連性、シナジー、追加で必要になる能力を比較することです。

> 出典:[独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための基本方針」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/development/basics.html)(限られた経営資源を顧客・商品・商圏・販路へ選択・集中する考え方)

> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2016年度の与件事実を主根拠にします。

## 第 2 問(配点 40 点)

A社の現社長(5代目)の経営改革に関連して、以下の設問に答えよ。

### 設問 1

A社が、新規のアルバム事業を拡大していく際に留意すべき点について、これまでの学校アルバム事業の展開との違いを考慮しながら、中小企業診断士として、どのような助言をするか。100字以内で述べよ。

### 回答例(99 字)

**写真館経由の学校向けと異なる個人・企業の多様な用途を把握し、商品へ反映する。配置転換した営業担当者の提案力を育て直接販路を開拓する。小ロットに合う工程・価格を整え、高品質と納期を守り採算を確保する。**

### 解説

#### この問題の着眼点

問われているのは、新規アルバム事業を広げる際の留意点です。 **学校アルバムと新しい顧客・用途の違い→必要な営業・事業運営の変更** の順に考え、100字で助言します。美術館・企業・一般消費者それぞれの用途に合う提案と、購入へつなぐ接点が必要です。

#### 与件文から顧客と受注経路の変化を読む

##### 与件文のどこを見るか

- 第2段落: **卒業式前後に生徒・学生に配布する学校アルバム事業** とあります。既存事業には学校と卒業という対象・利用時期がありました。
- 第8段落: **学校とのパイプ役を果たしていた地域の写真館の数が減少**、 **美術館や企業、そして一般消費者のアルバム需要**、 **定年退職者の記念アルバムや子供の成長記録アルバム**、 **生産現場の従業員を営業担当に配置換え** とあります。既存の仲介経路が弱まる中、異なる顧客・用途を開拓する営業へ変える必要があります。

##### 新しい印刷機だけでは、需要は掘り起こせない

第8段落の **「そこで」** は、学校市場と写真館の減少を受けて対象を広げる流れを示します。続く **「とはいえ」** は、商品化に取り組んでも、従来と異なる営業戦略・運営体制が必要であることを示します。少量・高品質で作れる能力を、誰が何のために買うかという需要へ結びつける箇所です。

#### 注文を受ける関係から、使い道を伝えて需要を見つける関係へ

##### 相手の用途に合わせた商品企画へ変える

学校アルバムは、卒業という共通の節目があり、写真館が学校とのパイプ役を担っていました。これに対し、個人向けの記念アルバムは、残したい出来事、購入の時期、冊数などが人によって異なります。「きれいに印刷できます」と伝えるだけでは、アルバムを作る理由が顧客に浮かばないこともあります。

例えば、退職時に振り返る仕事の記録、子供の成長を家族で共有する記録など、 **用途を具体的に示し、多様なニーズに合わせて企画する力** が必要です。新市場には美術館・企業も含まれるため、一律に個人向けへ置き換えず、相手ごとに何を記録し、誰に届けるのかを確かめます。

##### 顧客が見つけ、相談し、注文できる接点を用意する

写真館が学校との接点を担っていた仕組みから、顧客別に接点をつくる営業へ広げます。美術館・企業には用途や仕様を聞き取る提案営業、一般消費者には制作例の紹介や相談・注文窓口などが考えられます。 **潜在需要を引き出す発信と、顧客に合う販売チャネル** を組み合わせます。Webやプル戦略はその一例であり、すべての新顧客に同じ手段を当てはめる必要はありません。

こうした対応には、要望を聞き、実現できる品質や仕様へ落とし込む営業力も必要です。配置換えした生産担当者の製造知識を活かしつつ、ニーズの聞き取りや提案を学べるようにします。Web活用や育成方法はここでの助言であり、実施済みの成果としては書きません。

#### 新規アルバム事業の留意点を100字で答案化する

答案の骨格は、次の論点を設問の順に整理することです。

新市場の多様な用途を知り、提案できる営業担当者と直接顧客へ届く販路を育てることを前半に置きます。後半では、小口の個別対応で工程負担や費用が増えるため、小ロットに合う工程・価格を整え、品質・納期と採算を両立させる点を残します。商品を企画するだけでなく、継続して利益を得られる提供条件まで考えます。



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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」と経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための情報源」は、SWOTによる内部・外部環境の整理、顧客・取引先の声を集める仕組み、異業種・異分野との接点づくりと顧客の嗜好や競合を調べ、展示会等で情報源とネットワークを広げる方法について解説しています。本問では、「新しい顧客のニーズを調べる」と「顧客層に合う商品を開発する」を2016年度の与件事実と設問要求へ当てはめます。

| 公的資料の判断軸 | 2016年度への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 新しい顧客のニーズを調べる | 学校以外の企業・美術館・一般消費者の用途を把握 | 「一般消費者向け」と書くだけで終えない |
| 顧客層に合う商品を開発する | 退職記念・子どもの成長記録など少量高品質商品 | 学校アルバムをそのまま売らない |
| 情報発信と接点を設計する | Web等のプル型集客と直販チャネル | 営業所増設だけに寄せない |

類題は、**2019年度事例I第3問**(HPを市場情報・新規事業アイデアの収集へ使う問題)、**2025年度事例I第2問**(店舗・EC・SNS・イベントの顧客接点を開発へ還流する問題)、**2013年度事例I第4問**(顧客データと現場の声を新商品開発へつなぐ問題)です。共通点は、接点を増やすだけでなく、顧客情報を商品企画と事業運営へ戻すことです。

> 出典:[独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/development/system.html)(SWOTによる内部・外部環境の整理、顧客・取引先の声を集める仕組み、異業種・異分野との接点づくり) / [独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための情報源」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/development/research.html)(顧客の嗜好や競合を調べ、展示会等で情報源とネットワークを広げる方法)

> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2016年度の与件事実を主根拠にします。

### 設問 2

A社では、これまで、学校アルバム事業を中核に据えた機能別組織体制を採用していたが、複数の事業間で全社的に人材の流動性を確保する組織に改変した理由を、100字以内で述べよ。

### 回答例(98 字)

**工程中心の組織を改め、事業間で技術や企画・営業の知識を共有するため。新規アルバム営業への配置転換や繁閑に応じた応援で人員の余剰・不足を解消し、営業から生産まで連携して多様な需要へ迅速に応えるため。**

### 解説

#### この問題の着眼点

問われているのは、複数事業の間で人材を動かせる組織へ改めた理由です。 **学校アルバムに適応した分業の限界→全社での人材・知識の活用→新しい需要への対応** を100字で説明します。

#### 与件文から戦略に合わせた組織変更を読む

##### 与件文のどこを見るか

- 第7段落: **経営資源を主力製品であるアルバムに集中し強化する** とあります。事業へ分散していた資源を、全社として必要な方向へ振り向ける改革です。
- 第8段落: **これまでの学校アルバム事業と異なる営業戦略、事業運営体制が必要** とあります。学校向けの仕事を従来どおり進めるだけでは、新しい需要に対応しきれません。
- 第9段落: **一連の工程を中心に学校アルバム事業に適応するよう編成**、 **複数の事業間に横串を刺す**、 **全社が連動し人材の流動性を確保** とあります。工程ごとの専門性に、事業をまたぐ連携・配置を加えています。

##### 営業の改革と、組織の改革を結びつける

第9段落の **「それと同時に」** は、新市場への営業体制づくりに合わせて組織も変える関係を示します。販路を広げる方針だけでなく、それを実行できる人材配置や連携が必要になったと読みます。

#### 専門性を事業の中へ閉じ込めず、必要なところへつなぐ

##### 工程ごとの分業だけでは、新しい仕事を組み立てにくい

営業、企画、編集、印刷、製本、発送という機能別組織の分業は、学校アルバムの一連の工程を確実に進めるうえで役立ちます。一方、顧客や用途が多様になると、既存の工程を順番に渡すだけでなく、企画と営業が相談し、別事業で培った表現や印刷の知識も取り込む必要があります。

部門や事業の境界で人と情報が固定されれば、使える能力が別の場所にあっても、新需要への対応に結びつきません。ここで解消したい **縦割りの弊害** は、専門性そのものではなく、全社で使える人材・知識が連動しにくいことです。

##### 人材配置と知識共有を、事業間の相乗効果へつなぐ

事業間に横串を通すことで、必要な仕事へ人材を柔軟に配置し、それぞれが持つ技術や企画・デザインのノウハウを組み合わせやすくなります。例えば、新規アルバムの企画で美術印刷の表現力を活かすように、別事業の経験が新たな提案の材料になります。

 **柔軟な配置と知識共有が、既存資源を活かした相乗効果と迅速な対応を支える** とまとめます。与件では全社連動と流動性が示されているので、マトリックス組織や事業部制といった名称を推測で決める必要はありません。どの機能を補ったかを説明します。

#### 人材の流動性を確保する組織へ改めた理由を100字で答案化する

答案の骨格は、次の論点を設問の順に整理することです。

人材の流動化は、新規事業へ人を移すだけでなく、事業ごとの繁閑や規模に合わせて応援・兼務を行い、人員の余剰と不足を減らす働きがあります。事業間で知識を共有し、営業から生産まで連携する働きと組み合わせ、多様な顧客需要への迅速な対応へつなぎます。共有・配置・効率・顧客対応の関係が分かる骨格にします。



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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題

2022年版中小企業白書は、経営戦略・経営計画の見直しをきっかけに組織体制を見直す企業が多いこと、環境変化へ対応するために組織の柔軟性や人事異動が重要であることを示しています。

| 公的資料の判断軸 | 2016年度への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 戦略変更に組織を適合させる | 学校中心から複数市場・複数事業へ展開 | 人事施策の問題へすり替えない |
| 組織の硬直化を防ぐ | 機能別組織へ事業横断の横串を通す | 「組織活性化」の抽象語で終えない |
| 能力を踏まえて人材を動かす | 事業間で柔軟配置し、知識を共有 | 異動だけでなくシナジーと迅速対応を書く |

類題は、**2018年度事例I第3問**(専門知識別部門を製品開発・品質管理・生産技術へ改編した目的を問う問題)、**2019年度事例I第5問**(組織再編を見送った理由から現組織との適合を判断する問題)、**2025年度事例I第3問**(複数事業の特性差から恒常的な組織体制を選ぶ問題)です。共通点は、組織名の暗記ではなく、戦略・事業特性と分業・調整の仕組みを対応させることです。

> 出典:[中小企業庁「2022年版中小企業白書 第2部第2章第2節」](https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2022/chusho/b2_2_2.html)(組織体制の見直し、第2-2-47図〜第2-2-51図付近)

> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2016年度の与件事実を主根拠にします。

## 第 3 問(配点 20 点)

### 設問文

業績低迷が続くA社が有能な人材を確保していくためには、どういった人事施策を導入することが有効であると考えられるか。中小企業診断士として、100字以内で助言せよ。

### 回答例(96 字)

**「社員は宝」の理念の下、新卒・女性等が働き続けられる育児・介護の両立支援制度を整える。社員教育や事業間の配置で成長機会を設け、能力と貢献を公正に評価・登用し、有能な人材の採用と定着につなげる。**

### 解説

#### この問題の着眼点

問われているのは、業績低迷下でも有能な人材を確保するための人事施策です。 **成長できる仕事、公正な評価、働き続けられる条件** を組み合わせ、採用と定着につながる助言を100字でまとめます。

#### 与件文から人材確保の制約と使える基盤を読む

##### 与件文のどこを見るか

- 第1段落: **ここ数年利益もほとんど出ておらず**、 **社員は宝**、 **新卒社員や女性社員の採用を積極的に進め** とあります。資金面に制約がある一方、人材を大切にして採用する方針を持っています。
- 第4段落: **新入社員研修や従業員の体験学習、小集団活動** とあります。教育・学習の蓄積を、今後の成長機会にも活かせます。
- 第9段落: **全社が連動し人材の流動性を確保** とあります。事業をまたいで仕事を経験できる体制は、能力開発やキャリア形成にも使えます。
- 第10段落: **労働人口の減少が著しい地方都市**、 **経営改革の推進**、 **有能な人材の確保が必要** とあります。採用の難しい地域で、改革を担う人に選ばれ、働き続けてもらう必要があります。

##### 厳しい業績でも、人を大切にする方針を具体化する

第1段落の **「しかし」** は、利益がほとんど出ない状況でも、社長がリストラを考えていないことを示します。大幅な賃上げだけに頼ることは難しくても、社員を大切にする文化と教育基盤は活かせます。「社員は宝」を、実際に働く魅力として伝わる施策へ具体化します。

#### 成長したい人が入り、力を発揮し続けられる環境をつくる

##### 新しい仕事と学習の機会を、将来の姿へつなぐ

新規事業や事業をまたぐ仕事を経験できることは、能力を伸ばしたい人にとって魅力になります。ただ配置を変えるだけでなく、何を学び、どのような仕事や役割へ進めるかを **キャリアパス** として示します。従来の研修・体験学習の蓄積も使い、新しい役割に必要な知識を身につけられるよう支援します。

こうした **挑戦と成長の機会** は、入社希望者が将来像を描く材料になるとともに、既存社員が改革へ参加し続ける理由にもなります。改革に必要な人を外から探すだけでなく、社内の能力も育てて確保する視点です。

##### 挑戦を認める評価と、継続して働ける条件を整える

新市場への取り組みでは、成果が出るまでに時間がかかることがあります。売上だけを見ると、新しい仕事を引き受けた努力や能力向上が伝わりにくくなります。成果に加え、挑戦や習得した能力を評価し、基準と評価理由を本人へ説明する仕組みが考えられます。 **公正な評価と承認** によって、貢献が認められる納得感を支えます。

さらに、新卒社員や女性社員の採用を進める方針を定着へつなぐため、育児・介護と仕事を両立できる制度を整えることが考えられます。性別や年齢を問わず必要な人が利用できる勤務時間の調整等により、生活上の事情が変わっても働き続けられます。両立支援や公正な評価・登用は与件に導入済みと書かれた制度ではなく、「社員は宝」の理念と採用方針を具体化する助言です。**働き続けるうえでの不安を減らす施策と、仕事で成長する意欲を支える施策**を両方用意します。

#### 有能な人材を確保する人事施策を100字で答案化する

答案の骨格は、 **社員は宝の理念→両立支援+社員教育・事業間配置+公正な評価登用→採用と定着** です。冒頭でA社の理念と採用対象を示し、教育基盤や人材の流動性を成長機会へ結びます。能力と貢献を認める評価・登用を加え、安心して働ける条件と意欲を高める条件の両方を残します。

100字では、個別の研修名や勤務制度をすべて列挙せず、**成長・承認・働きやすさ**の異なる観点を残します。「人材育成に力を入れる」という一般論から一歩進め、どのような仕事・評価・働き方を提供するのかを助言しましょう。



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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題

独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「新卒採用」は、自社の理念・強み・特色と仕事で得られる成長を、候補者の目線で伝える新卒採用の要点について解説しています。本問では、「賃金以外の魅力を伝える」と「育成とキャリアを示す」を2016年度の与件事実と設問要求へ当てはめます。

| 公的資料の判断軸 | 2016年度への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 賃金以外の魅力を伝える | 新規事業への挑戦、多様な職務、社員を大切にする文化 | 抽象的な「やりがい」で終えない |
| 育成とキャリアを示す | 既存の教育基盤にキャリアパスを接続 | 研修の実施だけで定着したとしない |
| 明確・公正な評価と働き方を整える | 挑戦・成果の承認、柔軟な働き方 | 衛生要因だけを動機づけと呼ばない |

類題は、**2014年度事例I第5問**(高度専門人材の裁量・評価・成長機会による長期定着)、**2018年度事例I第4問**(金銭以外で技術者の挑戦・独創性を維持する施策)、**2022年度事例I第2問**(新規就農者の獲得・定着を教育・標準化・働く環境から設計)です。共通点は、待遇だけでなく、対象人材が担う役割、成長、承認、働き続けやすさを組み合わせることです。

> 出典:[独立行政法人中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「新卒採用」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/hr/newhire.html)(自社の理念・強み・特色と仕事で得られる成長を、候補者の目線で伝える新卒採用の要点)

> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2016年度の与件事実を主根拠にします。

## AI への指示

あなたは、中小企業診断士二次試験の採点官です。二次試験は上位 18%しか合格できない難関試験です。そのため、上位 10%に入れるように厳しく添削してください。

**評価の基本方針**

- **模範解答は絶対的な正解ではなく、あくまで高得点答案の一例として扱います。**
- あなたの解答の評価は、第一に**与件文の記述と設問要求に忠実であるか**、第二に**中小企業診断士としての一貫した論理が展開できているか**を最優先の基準とします。
- 模範解答とは異なる切り口や着眼点であっても、それが与件文に根拠を持ち、論理的に妥当であれば、その**独自の価値を積極的に評価**してください。
- 模範解答は、比較対象として「こういう切り口・要素もある」という**視点を提供するもの**として活用し、あなたの解答との優劣を単純に比較するのではなく、多角的な分析のために使用してください。

上記の基本方針に基づき、以下の入力情報と評価基準に従って、**60 点の合格ラインを安定して超えることを目的とした現実的な視点**で私の解答を添削してください。**加点できそうなポイントと、失点を防ぐべきポイント**をバランス良く指摘してください。

評価は点数ではなく、下記の**ABCDEF 評価基準**に沿って行ってください。

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### ABCDEF 評価基準

- **A 評価 (完璧 / 80 点以上):** 設問要求を完全に満たし、複数の重要な根拠を的確に網羅している。論理構成が極めて明快で、非の打ちどころがないレベル。
- **B 評価 (高得点レベル / 70 点〜79 点):** 設問要求に的確に応え、重要な根拠を複数盛り込んでいる。論理構成が明快な、上位合格答案レベル。
- **C 評価 (合格レベル / 60 点〜69 点):** 設問の主要な要求を満たしており、大きな論理的破綻がない。安定して合格点をクリアできるレベル。
- **D 評価 (合格ボーダーライン / 55 点〜59 点):** 解答の方向性は合っているが、根拠の不足や論理の飛躍が散見される。合否が分かれるレベル。
- **E 評価 (要改善レベル / 50 点〜54 点):** 解答の方向性に部分的な誤りがあるか、根拠が著しく不足している。合格には改善が必要なレベル。
- **F 評価 (不合格レベル / 49 点以下):** 設問の意図の誤解や、与件文の無視など、根本的な改善が必要なレベル。

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### 入力情報

与件文、設問文、出題の趣旨、解説、あなたの回答を参照してください。

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### 出力項目

以下の形式で、詳細なフィードバックをお願いします。

冒頭で `ABCDEF 評価基準`の定義を説明します。

**1. 設問ごとの添削**

**模範解答(比較参考用)**

`回答例と解説`の回答例を出力してください。

**あなたの回答**

模範回答との比較用にあなたの回答を掲載してください。

- **評価:** この設問の評価を **A / B / C / D / E / F** で端的に示してください。

- **フィードバック:**

- **① 設問解釈と方向性:** 設問の意図を正しく捉えられているか。解答の方向性は適切か。模範解答とは違う切り口だが、与件文・設問要求に照らして有効か、といった視点で評価してください。
- **② 与件文の活用:** 解答の根拠として、与件文中のどの SWOT 情報を、どの程度効果的に使えているか。根拠の抽出漏れや解釈の間違いはないか。
- **③ 知識と論理構成:** 診断士としての経営知識を適切に応用できているか。「A だから B になる」という因果関係は明確で、論理に飛躍はないか。模範解答とは異なる論理展開でも、それが妥当であれば評価してください。
- **④ 具体性と表現:** 抽象論に終始せず、企業の状況に合わせた具体的な記述ができているか。冗長な表現や不適切な言葉遣いはないか。
- **改善提案:**どうすれば A・B 評価の解答に近づけるか、**「どの与件文のこの部分を使い、このように論理を展開すべきだった」**というように、具体的かつ実践的な改善案を提示してください。あなたの解答の優れた点を活かす形での改善案も歓迎します。

**2. 総評**

- **総合評価:** 全ての設問を考慮した最終評価を **A / B / C / D / E / F** で示してください。
- **全体を通しての強み:** 今後の学習でも活かすべき、あなたの解答の良い点を挙げてください。(模範解答にない独自の視点など)
- **全体を通しての課題:** 合格のために、最も優先的に改善すべき点を指摘してください。
- **合格に向けたアドバイス:** 今後の学習方針について、具体的なアドバイスをお願いします。

## あなたの回答

### 第 1 問(配点 40 点)

#### 設問 1

#### 設問 2

### 第 2 問(配点 40 点)

#### 設問 1

#### 設問 2

### 第 3 問(配点 20 点)

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