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平成 22 年度(2010 年度)事例 Ⅲ
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# 平成 22 年度(2010 年度)事例 Ⅲ
## 与件文
【C 社の概要】
C 社は資本金 9,000 万円、従業員 125 名、年間売上高約 24 億円で、完成車メーカーを頂点とする自動車部品業界では 2 次部品メーカーである。C 社の組織には、総務および経理機能を担当する総務部、金属プレス加工を行う金属プレス部、樹脂成形加工の樹脂成形部、設備メンテナンスおよび樹脂成形用・金属プレス用金型製作の生産技術部、そして製品品質の全社的管理を担当する品質保証部がある。製品開発や営業を専任する部門はなく、新規営業開拓は社長自ら担当し、受注後の開発・設計、日常の受注などの業務は、金属プレス部および樹脂成形部がそれぞれ担当している。
現社長の父親が創業し、家電製品の金属プレス加工部品の生産から C 社は出発した。現社長が生産部門の役員となってから、加工技術の向上を目指したプレス加工技能者の育成、加工品質向上のためのプレス金型の内製化、そして設備の改良・改善によるコストダウンを図るなど、社内改革を実施してきた。さらに、ISO 9001 の要求事項に従った品質マネジメントシステムを構築して品質保証の標準化を、そして ISO 14001 の要求事項に従った環境マネジメントシステムを構築して環境管理の標準化をそれぞれ達成している。
このような C 社の活動は取引先の家電メーカーからも高い信頼を得て、樹脂金型の製作技術を含む樹脂成形加工技術の供与を受け、家電部品事業は拡大した。
ところが、家電製品の生産が国内から海外に移転し、それに伴って部品も現地調達化され、C 社の受注が激減した時期がある。現社長は、家電業界の海外生産移転を早くから予測し、将来の事業の方向性を探っていた。ちょうどその時期に、それまで取引していた家電メーカーの幹部から、自動車部品メーカー X 社の紹介を受けた。その際、X 社からは、金属プレス加工および樹脂成形加工の両部門を有していること、それらの金型が内製化されていること、そして生産設備の改良・改善技術を有していることなどが評価された。
これをきっかけとして、さらに社内技術力の向上を図り、自動車業界での新規受注を計画し、時間をかけて自動車部品メーカーに C 社を転換させた。現在も家電部品の受注はあるが、ごくわずかになっている。
家電部品に代わり、現在の主な生産品目は自動車の駆動制御系部品および電子制御系電子部品に使われる金属プレス加工品と樹脂成形加工品であり、1 次部品メーカー 2 社(X 社および Y 社)から受注、生産、納品している。X 社と Y 社は異なった国内完成車メーカーの系列にある。X 社からは駆動制御系部品を構成する金属プレス加工品と、電子制御系電子部品の樹脂成形加工品の受注を、そして Y 社からは電子制御系電子部品の樹脂成形加工品と金属プレス加工品の受注を得ている。
C 社の売り上げの構成は、X 社約 40%、Y 社約 30%、その他約 30%(金型受注販売 15%、家電・その他 15%)となっている。
C 社の近年の業績は、国内自動車生産台数の停滞、海外工場での部品現地調達化などの国内完成車メーカーの動向に影響されて、受注量の減少傾向が続いている。また、ハイブリッド車、電気自動車の普及によって、金属プレス部品である駆動制御系部品の需要が減少する恐れもある。
【取引先からの協力要請による事業計画】
現在、取引先である 1 次部品メーカー 2 社からそれぞれ新たな生産協力などを迫られている。
1 つは Y 社から生産設備および工程の移管計画である。この移管計画は、Y 社と協力して生産リードタイムを短縮すること、そしてコストダウンを図ることの 2 つを目的にした計画である。これまで C 社で樹脂成形加工および金属プレス加工を行い別々に納品し、Y 社で組み立てをしていた電子部品の生産工程を見直し、Y 社に代わって C 社内で組立工程までも行えるようにするものである。
この組立工程は、これまで「金属プレス部品の前処理」⇒「樹脂成形部品への装着」⇒「接着」⇒「検査」の 4 工程で、それぞれ専用設備にオペレーターが付いて行われ、加工工数が多く、しかも高度な技術を要する組立工程である。
この移管計画についての協議では、Y 社から以下の内容を提示されている。
① 早期に品質を安定させて量産化ができるように、Y 社から生産技術者を派遣し、組立工程の技術指導を行う。
② 組立後の部品納入単価は、従来の Y 社での製造原価の 15%削減を見込む。
③ 生産移管の目的を達成するために、両社間で生産管理に関する情報を共有する。
この移管計画で最大の問題は、Y 社から提示されている厳しい契約単価である。以前からこの部品加工時の材料歩留まりが悪いことも指摘されており、現状の生産方法を続けるだけでは C 社が十分な利益を確保するのは難しい状況にある。Y 社と C 社では、この移管計画を機に、製品設計変更なども含む VE 提案を完成車メーカーに対して行うことも検討している。
もう 1 つは、X 社からの中国進出の要請である。X 社はこれまで海外生産を行ってこなかったが、中国国内での生産拡大を狙う完成車メーカーから中国進出の要請があった。そこで生産される部品に C 社の加工品が使われ、加えて中国国内では得にくい金型技術が高く評価され、X 社とともに中国進出をしようというものである。すでに C 社も中国沿海地域に工場用地を確保し、X 社の駆動制御系製品の組立工場に隣接して、C 社が金属プレス加工工場と金型工場を建設し金属プレス部品を X 社の組立工場に供給する計画である。資金面では金融機関の協力が得られることになり一定のめどが付いているが、さらに具体的計画立案のために X 社と協議を進めている。
## 設問文
### 第 1 問(配点 20 点)
自動車業界における C 社の強みを(a)欄に、弱みを(b)欄に、2 つずつ、それぞれ 20 字以内で述べよ。
#### (a)欄
#### (b)欄
### 第 2 問(配点 40 点)
Y 社から迫られている生産設備および工程の移管計画は、現在具体的な協議が進められている。
#### 設問 1
この計画で最も大きな問題は、Y 社から提示されている厳しい契約単価である。この計画でコストダウンを行い、利益を確保するために必要な具体的方法を 120 字以内で述べよ。
#### 設問 2
この計画の実施により C 社の生産現場に混乱が予想される。予想される混乱の内容を(a)欄に 60 字以内で、またその対策を(b)欄に 100 字以内で、それぞれ述べよ。
### 第 3 問(配点 20 点)
Y 社からの生産設備および工程の移管計画には、① 生産リードタイムの短縮、② コストダウンの 2 つの目的がある。これらの目的を達成するために Y 社と共有化すべき生産管理に関する情報は何か。目的 ①、② について具体的情報データ項目をそれぞれ 20 字以内であげよ。
### 第 4 問(配点 20 点)
X 社からの要請による中国進出計画が進展している。この計画に関して C 社の技術を生かした独自の経営の方向性と対応策について、中小企業診断士としてどのようなアドバイスをするか、140 字以内で述べよ。
## 出題の趣旨
### 第 1 問(配点 20 点)
自動車業界における 2 次部品メーカーである C 社の強みと弱みについての分析能力を問う問題である。
### 第 2 問(配点 40 点)
#### 設問 1
単一工程の部品加工を主力としてきた C 社は、Y 社からの組立工程の移管計画に対してどのようにコスト面の対応をするかについて、問題解決能力を問う問題である。
#### 設問 2
Y 社からの組立工程の移管計画に対して、C 社生産現場で予想される課題についての分析能力とその問題解決能力を問う問題である。
### 第 3 問(配点 20 点)
生産リードタイムの短縮およびコストダウンを達成するために、取引先と共有する必要がある生産管理に関する具体的情報データ項目の分析能力を問う問題である。
### 第 4 問(配点 20 点)
取引先の 1 次部品メーカーと共同で事業を実施するにあたって、技術を生かし 2 次部品メーカーとして独自の経営を維持していくためには、C 社はどのような戦略を立てるべきなのかについて、分析能力と助言能力を問う問題である。
# 平成 22 年度(2010 年度)事例 Ⅲ 解答解説
## 第 1 問(配点 20 点)
### 設問文
自動車業界における C 社の強みを(a)欄に、弱みを(b)欄に、2 つずつ、それぞれ 20 字以内で述べよ。
### 回答例(16,20 字)
**【a欄(強み)】金型内製の金属・樹脂一貫技術力。
【b欄(弱み)】特定取引先と自動車部品分野への売上依存。**
### 解説
#### この問題の着眼点
自動車業界における強み・弱みを **一つずつ、各20字** で答える与件抜粋型の問題です。強みは技術の組合せ、弱みは売上の依存構造として、根拠を短くまとめます。
#### 後の判断に使う強みと弱みを選ぶ
##### 与件文のどこを見るか
- 第2段落: **プレス金型の内製化** 、 **設備の改良・改善によるコストダウン** とあります。部品加工を支える技術を自社に蓄積しています。
- 第3段落: **金属プレス加工および樹脂成形加工の両部門** 、 **それらの金型が内製化** 、 **生産設備の改良・改善技術** とあります。X社が評価した強みの候補です。
- 第4段落: **X社約40%、Y社約30%** とあります。取引先への依存を捉える根拠です。
- 第5段落: **受注量の減少傾向** 、 **駆動制御系部品の需要が減少する恐れ** とあります。依存している市場・部品分野の変化が経営へ及ぼす影響を考えます。
##### 根拠を集めたら、後続設問へ進む
読みながら強み・弱みの候補をマーキングし、20字へ絞るのは後続設問を解いてからにします。第2問の歩留まり・工程改善、第4問の中国進出を考えると、どの技術を使い、どの依存を補うかが明確になります。
##### 第2問以降を解いて、1軍・2軍を分ける
| 観点 | 1軍:優先して残す根拠 | 2軍:裏付け・補足の候補 |
| --- | --- | --- |
| 強み | 金型内製を核に、金属プレスと樹脂成形の両方を担う技術 | 設備改善技術、技能者育成、品質・環境管理の標準化 |
| 弱み | 特定取引先と自動車部品分野への売上依存 | 社長が新規営業を担当する体制、専任の開発・営業部門がないこと |
強みを個々の技能名で埋めるより、 **金型内製を伴う金属・樹脂の複合加工技術** に束ねます。「一つずつ」という条件に合わせ、関連する能力を一つの特徴として表現します。
##### 外部の変化と、自社の弱みを分ける
国内生産の停滞や現地調達化は外部環境です。これをそのまま弱みにせず、 **特定取引先・部品分野への依存によって影響を受けやすい** というC社側の構造へまとめます。X社とY社で売上の約7割を占めることが根拠になります。
第5段落の **また** は、現在の受注減に加えて、駆動制御系部品の将来需要にも懸念があることを示します。需要がすべて消えると断定せず、依存先の変化に左右される弱さとして捉えます。
#### 強みと弱みを各20字で答案化する
答案の骨格は、 **金型内製を核とする複合加工技術/特定取引先・部品分野への依存** です。強みは金型・金属・樹脂を一つの技術力へ、弱みは顧客と分野の偏りを一つの依存構造へまとめます。 **根拠の数字や経緯は解釈に使い、答案には特徴を残す** と、短い字数でも意味が通ります。
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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」は、3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法について示しています。本問では、「自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること」を2010年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること | SWOTと内部環境と取引先分散を、与件の事実と設問要求に対応させる | 戦略名だけを書かず、対象市場、自社能力、実行条件、期待効果を因果で示す |
類題は、**2024年度事例III第5問**です。
- **共通点**:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、SWOTと内部環境の判断へ変換する点が共通します。
- **相違点**:本問は「SWOTと内部環境→取引先分散→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「保有技術を生かす新事業と、その実行体制」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
> 出典:[中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「商品開発・市場開拓のための社内外の組織・体制づくり」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/development/system.html)(3C・4P・SWOTで自社と市場を整理し、顧客の声や異分野との接点を社内外の体制へ落とす方法)
> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2010年度の与件事実を主根拠にします。
## 第 2 問(配点 40 点)
### 設問文
Y 社から迫られている生産設備および工程の移管計画は、現在具体的な協議が進められている。
### (設問 1)
この計画で最も大きな問題は、Y 社から提示されている厳しい契約単価である。この計画でコストダウンを行い、利益を確保するために必要な具体的方法を 120 字以内で述べよ。
### 回答例(120,59,100 字)
**【設問1】Y社とVEで設計・材料を見直し、金型内製技術で歩留まりを高める。多工程組立を自動化・省人化して工数を減らし、加工条件・検査基準を標準化して不良と手直しを抑える。材料費・工数の実績を把握し、15%低減後の単価で利益を確保できる原価へ改善する。
【設問2 ⒜混乱内容】高度な組立に作業者が不慣れで、作業ミスや品質不良が生じることと、金属・樹脂部品と組立の工程が同期せず待ちが生じること。
【設問2 ⒝対策】Y社技術者を含む移管チームで加工条件・作業手順・品質基準を標準化し、工程を順次移管しOJTで多能工を育成する。生産計画を一元化し、負荷・進捗・品質情報を共有して、遅延、仕掛増加、品質ばらつきを抑える。**
### 解説
#### この問題の着眼点
Y社の移管は、設備を受け取るだけでなく、 **組立まで担う力を身につけ、厳しい単価で利益を残すこと** が課題です。設問1は原価低減策、設問2は予想される混乱とその対策に分けます。
#### 採算と、安定した立上げを両立する
##### 与件文のどこを見るか
- 第7段落: **C社内で組立工程までも行えるようにする** 、 **加工工数が多く、しかも高度な技術を要する組立工程** 、 **従来のY社での製造原価の15%削減** とあります。従来の加工に組立が加わり、技術の習得と採算の両方が必要です。
- 第8段落: **材料歩留まりが悪い** 、 **製品設計変更なども含むVE提案** とあります。従来の方法をそのまま移すのではなく、設計・材料・工程から見直します。
##### 設問1は、利益を残すために作り方を変える
従来はC社が金属・樹脂の部品を別々に納め、Y社が組み立てていました。移管後はC社が組立まで担当しますが、その納入単価にはY社の従来原価から15%削減する条件があります。 **材料の無駄、組立工数、不良・手直しを減らす** 方向で考えます。
第8段落には歩留まりの悪さとVE提案が明示されています。設計変更で材料の使い方を見直し、金型技術や設備改善技術を使って加工・組立の費用を下げるのが設問1です。
##### 設問2は、新たな工程を安定して動かす
組立は四つの工程からなり、高度な技術が必要です。設備を移しても操作や加工条件が定着していなければ、品質・負荷・進捗に混乱が生じると考えられます。Y社の技術者の指導を受け、標準化・教育と全体の計画管理を整えるのが設問2です。
| 回答欄 | 問われていること | 字数 |
| --- | --- | --- |
| 設問1 | VE・歩留まり・工数・不良削減による利益確保 | 120字 |
| 設問2a | 立上げ時に予想される品質・負荷・進捗の混乱 | 60字 |
| 設問2b | 標準化・OJT・段階移管と一元管理による対策 | 100字 |
#### 採算確保と移管対応を設問別に答案化する
答案の骨格は、次の論点を設問の要求に沿って組み立てることです。
新たな高度組立工程への習熟不足は作業ミス・品質不良につながる。一方、従来別管理の金属・樹脂部品と組立を合わせる管理がなければ、部品不足や待ちが発生するため、二つの問題を区別する。
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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「コスト削減の仕方」は、活動別・製品別の間接コストまで可視化し、ムダ・ムラ・ムリを特定して削減する方法について示しています。本問では、「製品別原価や経営状態を可視化し、標準化した業務と数値根拠を改善・価格判断へ使うこと」を2010年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 製品別原価や経営状態を可視化し、標準化した業務と数値根拠を改善・価格判断へ使うこと | 原価低減と工程移管を、与件の事実と設問要求に対応させる | 原価低減という結果だけでなく、対象費目、発生原因、把握方法、改善策を対応させる |
類題は、**2024年度事例III第4問**です。
- **共通点**:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、原価低減の判断へ変換する点が共通します。
- **相違点**:本問は「原価低減→工程移管→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「製品別原価を把握し、価格交渉の根拠を整える社内対策」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
> 出典:[中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「コスト削減の仕方」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/finance/cost.html)(活動別・製品別の間接コストまで可視化し、ムダ・ムラ・ムリを特定して削減する方法)
> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2010年度の与件事実を主根拠にします。
## 第 3 問(配点 20 点)
### 設問文
Y 社からの生産設備および工程の移管計画には、① 生産リードタイムの短縮、② コストダウンの 2 つの目的がある。これらの目的を達成するために Y 社と共有化すべき生産管理に関する情報は何か。目的 ①、② について具体的情報データ項目をそれぞれ 20 字以内であげよ。
### 回答例(20,19 字)
**【目的1(リードタイム短縮)】工程別の予定・実績・能力負荷・仕掛情報。
【目的2(コストダウン)】材料歩留り・標準工数・製品別原価情報。**
### 解説
#### この問題の着眼点
Y社と共有すべき **具体的な情報データ項目** を、目的ごとに各20字で答えます。第2問の改善策を繰り返すのではなく、改善の判断に使う情報名を選びます。
#### 時間と費用で、必要な情報を分ける
##### 与件文のどこを見るか
- 第7段落: **生産リードタイムを短縮すること** 、 **コストダウンを図ること** 、 **生産管理に関する情報を共有** とあります。二つの目的に必要な情報を分けます。
- 第8段落: **材料歩留まりが悪い** 、 **十分な利益を確保するのは難しい** とあります。材料の使われ方と原価を把握する必要があります。
##### リードタイム短縮には、工程の流れが見える情報
金属・樹脂の加工から組立までをつなぐには、各工程がいつ作業し、どこまで進み、どれだけ処理できるかを把握する必要があります。 **工程別の予定・実績・能力負荷・仕掛** を共有すれば、遅れや仕事の偏り、滞留を見て日程や投入を調整できます。
「生産管理情報」と大きく括らず、工程ごとの計画と現状が分かる項目へ具体化します。情報を共有しただけで時間が縮むのではなく、両社がその情報で工程間を調整することで短縮へつながります。
##### コストダウンには、材料と工数の使われ方が見える情報
材料歩留まりが悪く、組立工数も多いことから、 **材料歩留り・標準工数・製品別原価** が重要になります。どの材料が無駄になり、どの作業に時間がかかり、製品全体でいくらかかるかを比べ、改善対象を決めます。
| 目的 | 優先する情報名 | 共有後の判断 |
| --- | --- | --- |
| リードタイム短縮 | 工程別予定・実績、能力負荷、仕掛 | 遅れ・負荷偏在・滞留を見て工程を調整する |
| コストダウン | 材料歩留り、標準工数、製品別原価 | 材料・作業の無駄と改善効果を確認する |
工程の工数は日程にも原価にも関係しますが、答案では目的に合わせて整理します。短い欄には「何のために共有するか」の長い説明を入れず、判断に直結する情報名を残します。
#### 共有情報を目的別に各20字で答案化する
答案の骨格は、 **時間を短くする工程情報/費用を下げる歩留まり・工数・原価情報** です。目的1は工程の予定と実績・負荷・仕掛、目的2は材料・作業・原価の項目を置きます。 **「共有する」「改善する」といった動作より、データ項目の具体性** に字数を使いましょう。
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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「製造現場の生産性向上」は、事業領域と強みを踏まえ、設備、IT、生産管理システム、CAD/CAM等で製造現場の生産性を高める方法について示しています。本問では、「工程・受注・在庫の情報を可視化して共有し、標準化した運用と改善へ使うこと」を2010年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 工程・受注・在庫の情報を可視化して共有し、標準化した運用と改善へ使うこと | 生産管理情報と原価情報を、与件の事実と設問要求に対応させる | IT導入だけで終わらず、誰が、いつ、どの情報を更新し、何を判断するかを書く |
類題は、**2024年度事例III第3問**です。
- **共通点**:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、生産管理情報の判断へ変換する点が共通します。
- **相違点**:本問は「生産管理情報→原価情報→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「短納期に対応する生産計画と工程統制」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
> 出典:[中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「製造現場の生産性向上」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/productivity/factory.html)(事業領域と強みを踏まえ、設備、IT、生産管理システム、CAD/CAM等で製造現場の生産性を高める方法)
> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2010年度の与件事実を主根拠にします。
## 第 4 問(配点 20 点)
### 設問文
X 社からの要請による中国進出計画が進展している。この計画に関して C 社の技術を生かした独自の経営の方向性と対応策について、中小企業診断士としてどのようなアドバイスをするか、140 字以内で述べよ。
### 回答例(130 字)
**中国で高く評価される金型技術を生かし、X社への部品供給に加え他の現地企業向けに金型製作・保全を展開して収益源を広げる。日本からの技術指導で現地人材と品質管理を育て、中核技術の開示範囲や役割を契約で定めながら需要を確認し、段階的に販路を開拓してX社依存を抑える。**
### 解説
#### この問題の着眼点
X社と中国へ進出する計画を踏まえ、 **C社の技術を生かす独自の方向性と、その実行策** を140字で提案します。X社への供給を足場に、金型技術の価値と現地で安定して作る力を育てる流れです。
#### X社との取引を足場に、技術で独自性をつくる
##### 与件文のどこを見るか
- 第2段落: **品質保証の標準化** 、 **環境管理の標準化** とあります。国内で蓄積した管理の仕組みを現地へ移します。
- 第3段落: **生産設備の改良・改善技術** とあります。現地でも品質と生産性を支える能力です。
- 第9段落: **中国国内では得にくい金型技術** 、 **X社の駆動制御系製品の組立工場に隣接** 、 **金属プレス加工工場と金型工場** 、 **資金面では金融機関の協力** とあります。既定の進出計画と、独自性の源泉を区別して考えます。
##### 隣接立地と金型技術を、顧客への価値へ変える
計画されているのは、X社の組立工場に隣接する金属プレス加工工場と金型工場です。距離の近さを使った短納期供給に加え、 **現地で得にくい金型の製作・保全** を担う方向を考えます。安い労働力だけに頼るのではなく、C社の金型・プレス・設備改善技術を核にします。
工場用地は確保済みで、資金にも一定のめどがあります。そのため資金調達の一般論に字数を使わず、何を提供し、どう安定稼働させるかへ進みます。国内には樹脂成形技術もありますが、今回の計画を樹脂工場の建設へ勝手に広げません。
##### 国内で作った標準を、現地で実行できる状態にする
C社は品質・環境管理を標準化し、技能者育成と設備改善にも取り組んできました。この蓄積を現地へ移し、品質・環境・作業の基準を整えます。 **熟練者の指導とOJTによる現地人材育成** を通じ、基準どおりに加工・検査できる状態をつくります。
標準を渡すだけでは技術は定着しません。実際の作業と品質を確認しながら指導し、現地で再現できる工程にすることが、X社への安定供給と将来の営業の土台になります。
##### 安定量産を確かめてから、独自の取引を広げる
第1問で捉えた弱みは特定取引先・部品分野への依存です。ただし、独自性を持つことはX社との関係をすぐ離れることではありません。 **X社向けで安定量産→需要・採算の確認→日系部品企業への段階展開** と考えます。
金型や部品への評価、現地の需要、対応できる能力を確かめながら顧客を広げます。進出と同時に大規模な販路拡大を前提にせず、既存の技術と取引基盤を使う方向です。
#### 独自の方向性と対応策を140字で答案化する
答案の骨格は、次の論点を設問の要求に沿って組み立てることです。
強みである金型技術をX社向け加工品だけでなく金型製作・保全に展開する案とする。現地人材の教育、技術開示範囲・役割の合意、需要を確認した段階的拡販を組み合わせ、品質維持と依存分散を図る。
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#### 公的資料から持ち帰る知識と類題
独立行政法人中小企業基盤整備機構のJ-Net21にある経営ハンドブック「海外展開の基本的な戦略」は、海外展開手段を選び、現地パートナー、人材、取引条件、技術管理を整える要点について示しています。本問では、「自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること」を2010年度事例IIIの与件事実と設問要求へ当てはめます。また、「営業秘密支援窓口」は、海外展開を含む営業秘密・技術情報の管理と漏えい対策を支援する公的窓口を補う資料として併記します。
| 公的資料の判断軸 | 本問への当てはめ | 答案上の注意 |
|---|---|---|
| 自社資源と外部環境を両方分析し、差別化と実行可能な経営計画へ結び付けること | 海外展開と技術保持と取引先分散を、与件の事実と設問要求に対応させる | 戦略名だけを書かず、対象市場、自社能力、実行条件、期待効果を因果で示す |
類題は、**2024年度事例III第5問**です。
- **共通点**:どちらも、与件の生産・技術上の事実を、海外展開と技術保持の判断へ変換する点が共通します。
- **相違点**:本問は「海外展開と技術保持→取引先分散→QCD・成長への効果」を中心に問うのに対し、類題は「保有技術を生かす新事業と、その実行体制」を中心に問います。要求と制約が異なるため、類題の施策をそのまま移さず、本問の与件で取捨選択します。
> 出典:[中小企業基盤整備機構 J-Net21経営ハンドブック「海外展開の基本的な戦略」](https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/global-expansion/overseas.html)(海外展開手段を選び、現地パートナー、人材、取引条件、技術管理を整える要点) / [INPIT「営業秘密支援窓口」](https://www.inpit.go.jp/katsuyo/tradesecret/madoguchi.html)(海外展開を含む営業秘密・技術情報の管理と漏えい対策を支援する公的窓口)
> この公的資料と類題は理解を補助するものであり、当該年度の公式解答や採点基準ではありません。答案では2010年度の与件事実を主根拠にします。
## AI への指示
あなたは、中小企業診断士二次試験の採点官です。二次試験は上位 18%しか合格できない難関試験です。そのため、上位 10%に入れるように厳しく添削してください。
**評価の基本方針**
- **模範解答は絶対的な正解ではなく、あくまで高得点答案の一例として扱います。**
- あなたの解答の評価は、第一に**与件文の記述と設問要求に忠実であるか**、第二に**中小企業診断士としての一貫した論理が展開できているか**を最優先の基準とします。
- 模範解答とは異なる切り口や着眼点であっても、それが与件文に根拠を持ち、論理的に妥当であれば、その**独自の価値を積極的に評価**してください。
- 模範解答は、比較対象として「こういう切り口・要素もある」という**視点を提供するもの**として活用し、あなたの解答との優劣を単純に比較するのではなく、多角的な分析のために使用してください。
上記の基本方針に基づき、以下の入力情報と評価基準に従って、**60 点の合格ラインを安定して超えることを目的とした現実的な視点**で私の解答を添削してください。**加点できそうなポイントと、失点を防ぐべきポイント**をバランス良く指摘してください。
評価は点数ではなく、下記の**ABCDEF 評価基準**に沿って行ってください。
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### ABCDEF 評価基準
- **A 評価 (完璧 / 80 点以上):** 設問要求を完全に満たし、複数の重要な根拠を的確に網羅している。論理構成が極めて明快で、非の打ちどころがないレベル。
- **B 評価 (高得点レベル / 70 点〜79 点):** 設問要求に的確に応え、重要な根拠を複数盛り込んでいる。論理構成が明快な、上位合格答案レベル。
- **C 評価 (合格レベル / 60 点〜69 点):** 設問の主要な要求を満たしており、大きな論理的破綻がない。安定して合格点をクリアできるレベル。
- **D 評価 (合格ボーダーライン / 55 点〜59 点):** 解答の方向性は合っているが、根拠の不足や論理の飛躍が散見される。合否が分かれるレベル。
- **E 評価 (要改善レベル / 50 点〜54 点):** 解答の方向性に部分的な誤りがあるか、根拠が著しく不足している。合格には改善が必要なレベル。
- **F 評価 (不合格レベル / 49 点以下):** 設問の意図の誤解や、与件文の無視など、根本的な改善が必要なレベル。
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### 入力情報
与件文、設問文、出題の趣旨、解説、あなたの回答を参照してください。
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### 出力項目
以下の形式で、詳細なフィードバックをお願いします。
冒頭で `ABCDEF 評価基準`の定義を説明します。
**1. 設問ごとの添削**
**模範解答(比較参考用)**
`回答例と解説`の回答例を出力してください。
**あなたの回答**
模範回答との比較用にあなたの回答を掲載してください。
- **評価:** この設問の評価を **A / B / C / D / E / F** で端的に示してください。
- **フィードバック:**
- **① 設問解釈と方向性:** 設問の意図を正しく捉えられているか。解答の方向性は適切か。模範解答とは違う切り口だが、与件文・設問要求に照らして有効か、といった視点で評価してください。
- **② 与件文の活用:** 解答の根拠として、与件文中のどの SWOT 情報を、どの程度効果的に使えているか。根拠の抽出漏れや解釈の間違いはないか。
- **③ 知識と論理構成:** 診断士としての経営知識を適切に応用できているか。「A だから B になる」という因果関係は明確で、論理に飛躍はないか。模範解答とは異なる論理展開でも、それが妥当であれば評価してください。
- **④ 具体性と表現:** 抽象論に終始せず、企業の状況に合わせた具体的な記述ができているか。冗長な表現や不適切な言葉遣いはないか。
- **改善提案:**どうすれば A・B 評価の解答に近づけるか、**「どの与件文のこの部分を使い、このように論理を展開すべきだった」**というように、具体的かつ実践的な改善案を提示してください。あなたの解答の優れた点を活かす形での改善案も歓迎します。
**2. 総評**
- **総合評価:** 全ての設問を考慮した最終評価を **A / B / C / D / E / F** で示してください。
- **全体を通しての強み:** 今後の学習でも活かすべき、あなたの解答の良い点を挙げてください。(模範解答にない独自の視点など)
- **全体を通しての課題:** 合格のために、最も優先的に改善すべき点を指摘してください。
- **合格に向けたアドバイス:** 今後の学習方針について、具体的なアドバイスをお願いします。
## あなたの回答
### 第 1 問(配点 20 点)
#### (a)-1
#### (a)-2
#### (b)-1
#### (b)-2
### 第 2 問(配点 40 点)
#### 設問 1
#### 設問 2
### 第 3 問(配点 20 点)
### 第 4 問(配点 20 点)
